マツダ、スーパー耐久へ2.2リッターエンジンを開発か? 丸本明社長兼CEOからサプライズ発言

 3月19日、トヨタとスバル、マツダは共同でENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook第1戦『SUZUKA 5時間耐久レース』の会場内で記者会見を開いたが、このなかでST-QクラスにMAZDA SPIRIT RACING MAZDA2 Bio conceptを投入しているマツダの丸本明社長兼CEOは、シーズン後半に向けて2.2リッターエンジンを開発したいという意向を語った。

 2021年第6戦岡山から、ユーグレナ社が提供する100%バイオマス由来の次世代バイオディーゼル燃料『サステオ』を使用し、SKYACTIV-D 1.5エンジンを使い参戦を開始したMAZDA SPIRIT RACINGは、2022年に車両をマツダ2に改め、MAZDA SPIRIT RACING MAZDA2 Bio conceptとして参戦している。

 この日、記者会見に出席した丸本社長兼CEOは、「昨年第6戦岡山にスポット参戦させていただいた経験を活かし、今季フル参戦させていただきます。さまざまな気温やレース環境のなかでガソリンを使わず、バイオディーゼル燃料で走る実証実験を行うこと、我々の活動を通じて多くの方々にバイオディーゼルの可能性をお伝えし、普及促進に繋げていきたいと考えています」と2022年の参戦意義について語った。

「そしてやはりレースですから、コンペティションを楽しんでいただけるよう、マツダの飽くなき挑戦を積み上げ、性能改善を続けていきたいと思います。マツダ2は出力改善を行い、ST-5クラスの皆さんと競争できるよう熟成してきました。今後もレースごとに段階的な性能改善を施してまいります」

 そんなMAZDA SPIRIT RACING MAZDA2 Bio conceptについて「じつは数週間前ですが」と丸本社長兼CEOは突然、ST-Qクラスのライバルの速さについて切り出した。

「弊社のエンジニアが今季参戦されるスバルさんのBRZ、トヨタさんのGR86の手強さを目の当たりにし、後半戦に向けて2.2リッターの300馬力のエンジンを開発したいという強い要望を受けました」と新たなエンジン開発を目指したいと語った。

「さらなる挑戦のために、その要望に同意しました。ぜひ後半戦ではガチンコで戦わせていただければと思います」丸本社長兼CEOはGOサインを出したという。

 マツダの2.2リッターというと、CX-5やマツダ6に積まれるSKYACTIV-D 2.2リッタークリーンディーゼルエンジンが存在する。また、ST-Qに出場するのであればバイオディーゼル燃料だろう。ただ、300馬力ともなれば車格としてはマツダ2ではないはずだが……。今後が気になる発言だ。

「ディーゼルを開発してくれるエンジニアから『300馬力で』と言ってもらったことはとても嬉しかったです。ガソリンエンジンをやっているスタッフからも『水素でもカーボンニュートラル燃料でも、なんでも燃やせますよ』と言われています。いろいろ考えることがあります」と丸本社長兼CEOからは、さらに選択肢があるのではないかという発言も出た。

「豊田章男社長からも、一戦ごとに改善していくことが大事だとアドバイスをいただいております。いつか(トヨタ、スバル)と肩を並べて戦えるようにしたいと思います」

スーパー耐久第1戦鈴鹿で記者会見に出席したマツダの丸本明社長兼CEO

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