小学生が噴火被害のトンガ支援 ラグビーが縁で

トンガを支援するために国旗作りや募金活動をした田辺第三小学校6年生(和歌山県田辺市上の山2丁目で)

 和歌山県田辺・西牟婁地方でラグビーやタグラグビーをしている小学生が、1月に発生した海底火山の大規模噴火と津波の被害を受けた南太平洋の島国トンガを支援しようと、募金活動などに取り組んでいる。

 トンガ出身でラグビー元日本代表選手のタウファ統悦さん(41)=花園近鉄ライナーズスタッフ=が1月中旬、田辺市の田辺第三小学校を訪れ、6年生54人に講演した。その翌日には同市の目良多目的グラウンドで、小学生ラグビーチーム「梅干しジュニアクラブ」を指導。直後にトンガの被害を知ったという。

 タウファさんは2001年、日本大学に留学。4年時にはラグビー部主将を務めた。大学卒業後は社会人の近鉄でプレー。日本に帰化し、日本代表では22試合に出場した。トンガ出身で日本代表になった選手が多数いるなどラグビーを通じて日本とトンガは縁が深く、日本ラグビー協会などが被災者の支援に乗り出している。

 田辺第三小は6年生が1年間、体育の授業でタグラグビーを体験した。その指導に当たった同校教員とのつながりから、タウファさんを招き、トンガの文化に理解を深めた。噴火や津波の被害を受けて、6年生が募金箱を作って校内で寄付を呼び掛けているほか、トンガと日本の国旗を一人一人が画用紙で作り、被災地に思いを寄せた。

 寄付金は、ラグビー関係団体を通じてトンガに送る。タウファさんに応援メッセージも送りたいという。

 学級委員である6年1組の庄司美優さんと丸山凛太朗君、6年2組の中野奏次郎君と堤菜夏さんはそれぞれ「メッセージを届けて元気づけたい」「大変だけど、みんなで協力して復興してほしい」などと話している。

 梅干しジュニアクラブは、児童や保護者から支援金を集めている。20日には6年生の卒団式で応援メッセージ付きの記念写真を撮り、支援金とともにタウファさんに送る。

 クラブの小川雄三代表は「タウファさんには以前からラグビー教室を開いてもらっている。何かできることはないかと、児童や保護者が協力してくれた」と話している。

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