5年契約の最終年を迎えたアップトン 一塁の守備にもチャレンジ予定

現在34歳のジャスティン・アップトン(エンゼルス)にとって、今季は非常に重要なシーズンとなる。2017年オフに結んだ5年1億600万ドルの大型契約のラストイヤーを迎えるからだ。近年は故障で満足にプレーできないシーズンが続いており、直近3シーズンの合計384試合のうち、出場できたのは約半分の194試合だけ。打率は2割台前半、OPSも7割台前半に低迷しており、守備面でも精彩を欠いている。今季はレギュラーの座さえ保証されていない立場だが、チームに貢献するために、必要とされる役割を受け入れる姿勢を見せている。

現在のアップトンは端的に言えば「打てない守れない高給取りのベテラン外野手」である。今季の年俸は2800万ドルだが、近年のパフォーマンスから考えて、この金額に見合うだけのパフォーマンスは期待できない。さらに、全球団に対するトレード拒否権を持っており、エンゼルスとしては年俸を全額負担して解雇するか、なんとかチーム内での使い道を見つけるしかないのが実情だ。

そんな状況のなかで検討されているのが、アップトンを一塁手として起用するプランだ。正一塁手のジャレッド・ウォルシュが左打者のため、右打者のアップトンが一塁を守れるようであれば、相手の先発投手が左腕のときにウォルシュをスタメンから外して休養を与えることができる。ジョー・マドン監督は「我々は彼に一塁を練習させている。優秀な左腕と対戦するときに、ウォルシュに休養を与える機会があるだろうからね」とコメント。「一塁を守れるなら、アップトンの起用法も広がる」と付け加えた。

もちろん、あくまでもアップトンは外野手であり、左打者のブランドン・マーシュとのプラトーン起用がメインになるとみられる。とはいえ、控え一塁手が不在という状況のなかで、アップトンが一塁を守れるようになれば、チームにとっては大きなプラスとなる。実は、昨年8月にもアップトンの一塁起用が検討されたことがあったものの、一塁手としての出場が実現しないままアップトンが故障し、シーズンが終わってしまった。

「チームが必要とする場所なら、どこでもプレーしたいと思っている」と一塁守備への挑戦に意欲を見せるアップトン。チームの将来を考えると、左翼にマーシュ、右翼にジョー・アデルが定着し、アップトンが控えの外野手兼一塁手として彼らをサポートする形が理想なだけに、34歳のベテランがその役割を受け入れる姿勢を見せているのはエンゼルスにとって朗報と言えそうだ。

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