ベイカー親子がメンバー表を交換 ナ軍・マルティネス監督の粋な演出

日本時間3月21日に行われたナショナルズ対アストロズのオープン戦は3対2でナショナルズが勝利したが、この試合前には親子によるメンバー表交換が行われた。アストロズのダスティ・ベイカー監督とメンバー表を交換したのは、昨年ドラフト10巡目指名でナショナルズに入団したダレン・ベイカー。実は、これは1993~94年にジャイアンツの選手としてダスティの下でプレーしたナショナルズのデーブ・マルティネス監督が企画した粋な演出だった。ダスティは息子の登場に驚きながらも笑顔でハグを交わした。

マルティネスはこの「サプライズ演出」のために、ダレンを試合開始まで1時間を切ったところでマイナーキャンプから呼び寄せた。「みんな知っているように、私はダスティのことが大好きだからね。親子2人が一緒にいるところを見られて良かったよ」とマルティネス。この演出について、ダスティは「驚いたけれど、流石はデーブ・マルティネスだね。彼は私の下でプレーした選手だ。本当に素晴らしい経験になったよ」と驚きつつも大喜びだった。

一方のダレンは「アストロズとの試合に出場することは全く考えていなかった」というが、6回裏の守備から二塁手として途中出場。7回表の第1打席でライトへのヒットを放つと、8回表無死2・3塁、ルシアス・フォックスのタイムリー二塁打で2対2の同点に追いついた直後の第2打席ではセンターへの犠飛でチームを勝利に導く決勝点を叩き出した。「2ストライクに追い込まれてからしっかりランナーを返したのが印象的だった。やられたね」とダスティは息子のバッティングを称えた。

ダレンといえば、2002年のワールドシリーズでバットボーイを務め(当時3歳)、本塁付近で選手と交錯しそうになったところをJ・T・スノーに間一髪で助けられたことで有名だ。このプレーがきっかけで、メジャーリーグではバットボーイの年齢制限が設けられることになった。あれから20年。オープン戦とはいえ、ダレンは父と同じグラウンドに立ち、決勝犠飛を放ってみせた。次は父がメジャーの監督を務めているあいだにメジャーのグラウンドに立つことを期待したい。

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