プロ21年目も衰えぬ西武・栗山巧 辻監督が称える38歳の選球眼「ひと味違う」

西武・栗山巧【写真:荒川祐史】

中村剛也とチーム野手最年長コンビ、年上はコーチ兼任の内海のみ

■ヤクルト 2ー1 西武(オープン戦・20日・ベルーナドーム)

【実際の映像】「男は黙って確信アーチ」西武38歳・栗山巧の衰え知らずの豪快弾

プロ21年目で9月に39歳となるシーズンも、チームにとって不可欠な存在だ。西武の栗山巧外野手は20日、本拠地・ベルーナドームで行われたヤクルトとのオープン戦に「6番・指名打者」として出場。5回に先発の高梨から右翼席中段へオープン戦1号ソロを放った。

決して簡単なコースではなかった。内角いっぱいの139キロ速球に対し、「うまく振り抜けたと思います」と熟練の技術を見せた。20日までオープン戦打率.273(22打数6安打)。しかも、この日の1四球を合わせて9四球を選んでおり、出塁率は.484に達している。辻発彦監督が「栗山の選球眼はひと味違う」と評するゆえんだ。ベテラン選手の衰えはまず動体視力から始まるといわれるが、栗山にはその兆候が全く見られない。

同じくオープン戦好調の中村剛也内野手とともに、チーム野手最年長コンビは健在。投手を含めても年上は今季からコーチ兼任となった内海で、辻監督は「栗山、中村に関しては心配していない。あとはゆっくり疲れを取って、万全で開幕を迎えてくれれば」と全幅の信頼を置いている。

「今までと変わらず気持ちを入れていけるかどうかを見てほしい」

昨年9月、生え抜きでは球団初の通算2000安打を達成した。普通なら、安堵感で今季の目標を見失ってもおかしくない。昨季オフには「数字を上げたい。今までと変わらず、それ以上に気持ちを入れていけるかどうか、そこをファンの皆さんに見ていただきたい」と思いを新たにしていた。

この日は「今年は数字的な目標をあまり立てないかもしれないです。その日その日、いいものを出せるように、どこを任されても、期待され信頼されるプレーを1日1日積み重ねていきたい」と話した。チームに必要とされているという実感が、ベテランのモチベーションを支えていくのかもしれない。「頼りになりますよ。だから大事にね、大事に使わないと」と辻監督の言葉には実感がこもっている。

昨季は指名打者で59試合、左翼手として51試合にスタメン出場。規定打席をクリアし打率.251、4本塁打43打点だった。オープン戦では鈴木、愛斗が成長のあとを見せ、呉らを含めてポジション争いが激しさを増しそう。あとは、若手が栗山、中村を脅かすくらいの勢いを示すことができれば、山賊打線復活が見えてくるはずだ。

【実際の映像】「男は黙って確信アーチ」西武38歳・栗山巧の衰え知らずの豪快弾

「男は黙って確信アーチ」西武38歳・栗山巧の衰え知らずの豪快弾【動画:パーソル パリーグTV】 signature

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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