公園全体がミュージアム 天平の丘で初イベント 下野

公園内で披露されたオーケストラの演奏

 【下野】桜の名所として知られる国分寺の天平の丘公園を舞台に多彩なパフォーマンスを披露するイベント「天平の桜歌会(おうかえ)」が20日、初めて開催された。

 市文化協会有志による実行委員会が主催。園内の淡墨(うすずみ)桜を題材にした歌が2019年の「大嘗宮(だいじょうきゅう)の儀」で詠まれ、歌碑が昨春、園内に建立されたことから、同公園を芸術文化の発信地にしようとイベントを企画した。

 園内を巡る「文化パフォーマンス」には、吹奏楽やジャズダンスなどの8団体計200人以上が参加。国指定史跡「下野国分尼寺跡」では、復元された基壇を活用したステージで書道の公開添削などが行われた。

 雑木林には、「森の美術館」として版画や絵画50点以上が飾られた。合唱団の演奏もあり、訪れた人たちは森の中にこだまする歌声を聞きながら作品を鑑賞した。

 大嘗宮の儀で歌を詠んだ宮内庁御用掛の歌人篠弘(しのひろし)さん(88)の現代短歌講演会なども開かれた。

 小金井4丁目、無職菅井貞雄(すがいさだお)さん(71)は「公園全体をステージにする発想が新しい。天気も良くて気持ちいいです」と話した。

下野国分尼寺跡で行われた書道の公開添削
雑木林に絵画や版画が飾られた
絵画作品などが飾られた雑木林

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