佐世保の映画祭 最高賞に上條大輔監督「その1」 父と娘の苦悩描く

トロフィーを受け取った上條監督(中央)。左は最優秀助演俳優賞に選ばれた内山さん=佐世保市、コミュニティセンターホール

 国内外の短編映画作品が集まる「渋谷TANPEN映画祭CLIMAX at 佐世保」の授賞式は20日、長崎県佐世保市光月町のコミュニティセンターホールであり、上條大輔監督(41)=東京都在住=の「その1」が、一般部門で最高賞の「ゴールデンバーガー賞」に輝いた。
 映画祭は、兄弟商店街のさせぼ四ケ町商店街協同組合(同市)と渋谷センター商店街振興組合(東京)などでつくる実行委主催。今回5回目で、58の国と地域から一般部門に155作品、学生部門に350作品の応募があった。
 46作品が一次審査を通過し、昨年12月下旬に渋谷で公開。最終審査には一般部門8作品、学生部門4作品が残り、佐世保で今月19、20日に上映された。
 「その1」は、売れない俳優の父と、大学生の娘が登場。お金がなく娘の小夏は大学中退を決意するが、父は気付かず親子関係に亀裂が入る。2人の苦悩を通して、上條監督が作品に込めた「全ての人に感謝を」というメッセージが伝わるストーリーとなっている。
 授賞式では、朝長則男市長が上條監督に伝統工芸品「佐世保独楽(こま)」のトロフィーを授与。上條監督は「大変光栄。ご協力いただいた人に感謝を伝えたい」と喜びを語った。小夏を演じた内山あかりさん(23)=東京都在住=は、最優秀助演俳優賞を受賞した。
 学生部門の最高賞に当たる県知事賞には、田村鞠果監督=米国在住=の「Final Deathtination」が選ばれた。


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