ウィリアム王子夫妻に地元民が抗議「植民地主義だ」 カリブ海諸国公式訪問で予定変更

英国王室のウィリアム王子夫妻が、カリブ海諸国公式訪問で最初に予定されていた訪問地の地元民に抗議運動を起こされたことにより、予定変更を余儀なくされた。ウィリアム王子とキャサリン妃は20日、ベリーズのカカオ農園訪問を皮切りに8日間にわたる同地域の公式訪問を開始する予定だったが、村民に「植民地主義」だと非難されたことから、同島の別のカカオ農園を訪問することになったという。

ケンジントン宮殿も、マヤの村インディアン・クリークの村民との「デリケートな問題」によりスケジュールが変更になったことを明らかにしている。村民は、王子夫妻のヘリコプターが、現在村と環境保護団体ファウナ フローラ・インターナショナル(FFI)との間で所有権をめぐり問題が起きている土地に着陸することを事前に伝えられていなかったことが不服だったそうで、18日に「植民地支配下の奪取の遺産は、王子とファウナ フローラ・インターナショナル(FFI)により継続する」「あなたの土地ではない。あなたの決断ではない」などと書かれたプラカードを持って抗議をしている姿が写真に収められている。

村のユースリーダーの一人は、ザ・タイムズ紙に「我々の村は、植民地主義の遺産に苦しんだと考えており、今でも直接その影響を受けているのです」と話す。

一方で、カカオ農場を経営するレヒナリオ・マキンさんは、ウィリアム王子とキャサリン妃の訪問が中止されたことに「酷く落胆」しており、抗議行動を「心から残念に思う」とサンデー・テレグラフ紙に語っている。

今回の予定変更により、王子夫妻は、同島南部のマヤ・センターにある別のカカオ農場を訪れた一方、立ち寄った漁村のホプキンスでは、先住民族であるガリフナの人々と音楽に合わせてノリノリのダンスを披露し場を盛り上げていた。

(BANG Media International/よろず~ニュース)

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