統一地方選挙に立候補する際に参考になる立候補のしおりと選挙費用について(データアナリスト 渡邉秀成)

投票,選挙イメージ

2022年夏には第26回参議院選挙が予定されています。
翌年2023年には第20回統一地方選挙も予定されています。
次回統一地方選挙まで1年ほどになり立候補を予定されている人の各種活動も活発になっています。

初めて選挙に立候補するとなると、わからない事が多く、何をどのように準備をすればわからないことが多いですが、各地方自治体の選挙担当課が選挙候補者のしおり等を公開しています。
今回はこの選挙候補者のしおりについて見てみたいと思います。

インターネットで 【選挙候補者のしおり】 と検索すると、選挙のしおり、手順書等が公開されていることが確認できます。

この選挙候補者のしおりを読んでみると、選挙においてどのような手続きが必要なのか、何ができて、何をしてはいけないのかについておおまかなイメージを掴むことができます。

そして選挙に立候補する人が最も気になることは、選挙にどの程度の費用が必要なのかについてだと思います。

この選挙にかかった費用についても、インターネット上で公開している市区町村もあります。
これらの資料を見ると、各市区町村の選挙でどの程度の費用が必要になるのかについて把握することができます。

例えば、大阪府豊中市議会議員選挙ですと、各候補者の寄付金等の収入金額、印刷費、広告費等の支出金額がいくらであったのかについて見ることができます。

図1_選挙収支報告書

これらの資料を見れば選挙運動費用の大まかな輪郭がわかります。
さらに各候補者が印刷、広告等に誰に幾ら支払ったかを知りたければ、資料を閲覧することで知ることもできます。
そうすることで各候補者がどのようなところと取引関係にあるのかについても把握することができます。
初めて選挙を予定されているかたはこのような資料もしっかり見ておき、具体的な対策を立てる際の参考してみてはいかがでしょうか?

この選挙運動費用収支報告書なのですが、各都道府県選挙管理委員会で同一フォーマットを用いて選挙運動費用収支報告書を集約し、オンライン上で住民誰もが検索できる公的機関のサイトがあると有権者等が便利に利用できると思います。
例えば、連邦選挙委員会(Federal Election Comission*1)のようなサイトを総務省なり、公益財団法人 明るい選挙推進協会が運営すれば情報に対する信頼性も増します。
*1: [https://www.fec.gov](https://www.fec.gov)

というのも、国や地方の代表を選ぶ選挙で、過去の選挙において各候補者がどのような個人、法人と接点を持っていたのかというのを公的機関が運営するサイトから手軽に知ることができれば、有権者がどの候補者に投票するかの参考になるからです。

選挙運動費用については不透明な部分が残っており透明性についての課題がある部分でもあり、多くの有権者の目に触れる環境を整えることで、初めて選挙に挑戦しようとしている人にも参考になり、また有権者の選挙に対する関心も向きやすくなるように思います。

衆議院選挙、参議院選挙では総務省が公表する選挙結果調に各候補者の選挙運動費用要旨については掲載されています。
ただ、PDF形式での公開なので、データ利用がしにくいものとなっています。
選挙結果調についてPDF形式で公開するのではなく、総務省が各種白書を公開しているように、PDFでプリントアウトしても見られるようにするものと、スプレッドシート形式でデータをダウンロードできるようにしたり、最初からHTML形式でデータ公開したりすれば、その後のデータの利活用の点から国民の利便性が向上するはずです。

総務省統計局も令和2年12月18日*1に統計表における機械判読可能なデータの表記方法の統一ルールの策定を公表しました。
ここには各省庁が公開する統計データについての表記ルールが記されています。

図2_機械判読可能なデータ表記方法

https://www.soumu.go.jp/menunews/s-news/01toukatsu0102000186.html

上記ウェブサイトアドレスでは
【令和3年1月以降公表分から、各府省の準備ができ次第、順次対応していくこととしております。】
(【】は筆者)となっていますので、地方公共団体が公表する選挙等のデータもここに記されているデータ表記方法で公開されることが期待されます。

国、地方公共団体の選挙における、期日前投票者数、投票結果、開票結果、選挙運動費用についてもパソコン等で検索、並び替え等がスムーズにできるようになると、有権者の政治意識の向上に役立つはずです。
そして、選挙に立候補しようとするかたには、選挙対策をつくるうえでの重要な資料となります。

選挙に挑戦しようとしている人は、まずは公開されている公的資料を読み込んでから、対策を立ててもいいかもしれません。

今回は統一地方選挙を予定している人に役立つ選挙候補者のしおり、選挙運動収支報告書について触れてみました。

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