感染の高止まりが続く新型コロナ第6波 医療現場は今…

4月に新築移転 未知の感染症にも対応

新型コロナウイルスの医療現場です。感染の高止まりが続く第6波。現場を統括する医師を取材しました。

コロナ病床回診加藤医師「どう?体調は?」
患者「体調はだんだん」
加藤医師「だんだん良くなってきたでしょう。言った通り。熱も出なかったし、尿も取れましたね。うん、その調子でいきましょう」

仙台徳洲会病院・加藤一郎医師

オミクロン株の中等症患者の体調を確認して回る、仙台徳洲会病院の加藤一郎医師(41)です。 この病院の新型コロナウイルス感染症対策の統括をしています。
仙台徳洲会病院加藤一郎医師「(感染例が確認された)最初の方は、本当に軽症の風邪みたいな。このオミクロンだったらもう(風邪として扱って)良いんじゃないかって思ってたくらいです。
ただ、ちょっと時間が経って、オミクロン株が高齢者にいっぱいうつってくる段階になってくると、やっぱりちょっと肺炎がある人が出てきたなって。人工呼吸まで必要な人も出てくる。本当にオミクロン、最初のころと同じなのって言いたくなるような違いですね」

オミクロン株の第6波 感染者急増に対応

非常に強い感染力のオミクロン株が猛威を振るう第6波。若い世代を中心にこれまでにないペースで感染者が急増しました。
新型コロナの宮城県内の指定医療機関となっている仙台徳洲会病院では2021年3月、院内クラスターを防ぐため専用のプレハブの病棟を敷地内に建設。中等症と重症患者用に24床を用意しました。
仙台徳洲会病院では、県内の感染者が急増した1月中旬ごろから入院患者が増加。最も深刻だった2月13日には、8割を超える20床が埋まりました。60歳以上が中心で、2回目のワクチンをうっていても重症化する例もありました。現在は5人が入院していて、全員が中等症患者です。

仙台徳洲会病院加藤一郎医師「デルタ株ほど重症化する率ってのは、高くはないのかもしれないと思います。ただ、ある一定の確率でやっぱり重症化すると。僕が診てる患者さんの中では、やっぱり高齢であったりとか、ワクチン接種をしてないということで重症化する傾向がある」

発熱外来に来る患者は1月中旬から急増し、2月2日の陽性率は60パーセントに達しました。この日も、体調不良を訴え、発熱外来に来る患者が相次ぎました。
仙台徳洲会病院加藤一郎医師「だいたい1月の半ばとかそのくらいから2月中はずっと多かったので。先週くらいまでは、大体1日20人弱くらいは来ていたんですけど。
この第6波の方は、救急搬送で来る人が多いですね。症状が軽いがために、結構我慢されてる方って結構多いのかもしれない。後で聞いてみると、実は1週間ぐらい前から喉痛かったって言ってて、来た時にはものすごい重症だったりとか」

5人前後の看護士が常駐

コロナ病床では、5人前後の看護師が常駐していて24時間体制で対応しています。
看護師「ADL(日常生活動作)が全介助の人が、急激に増えたりとか(年齢層に)波があって。(高齢者)施設のクラスターとかだともう。
「同じ施設から同じような要介護4とか5の人がいっぱい来るので、そうなると症状的には軽症でもその分、ケアというか手がかかるから」

新築移転で感染症に特化した病棟も

仙台徳洲会病院では、4月4日から現在の場所から2キロほど離れた泉区高玉町に新築移転します。延べ床面積は現在の2.3倍。鉄筋コンクリート9階建てで、7階の24床を新型コロナだけではなく、未知の感染症にも対応できる病床として使用する予定です。
仙台徳洲会病院 加藤一郎医師「オミクロンやデルタもそうですけど、ある程度の数がまとめて来た時、病棟としてやっていくので、そういったことを想定した感染症に特化した病棟という形になった」

4月に新築移転 未知の感染症にも対応

コロナの感染者が県内で初めて確認されて2年。収束の兆しが見えないコロナと向き合う医療現場。その闘いの日々は続きます。
仙台徳洲会病院加藤一郎医師「精神的にも皆さん疲弊してる状況だと思いますし、よく本当に皆さん頑張ってそうやって予防している。僕らも変な意味ぶっ壊れずにできているので、もう力の限り、やり続けるしかないかなと思います」

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