延長タイブレークの復活などが暫定合意 「大谷ルール」も導入へ

「ニューヨーク・ポスト」のジョエル・シャーマン記者によると、メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会は、スプリング・トレーニングが3週間半に短縮されたことを考慮し、5月1日までロースター枠を本来の26人から28人に拡大することで暫定合意に達したようだ。今回の暫定合意には、DHを使用せずに先発投手が打線に名を連ねた場合、降板後にもDHとして打線に残ることができる「大谷翔平ルール」の導入や、延長戦を無死二塁からスタートするタイブレーク制の復活も含まれているという。

ロックアウトが長期化してスプリング・トレーニングが短縮されたため、選手の健康と安全を守るために1カ月限定でロースター枠が拡大されることになった。この期間中はロースター枠が28人に拡大され、投手の登録人数にも制限はない。5月2日以降はロースター枠が本来の26人に戻り、投手は最大13人までしか登録できなくなる。

また、過去2シーズン採用されていた延長戦のタイブレーク制が今季限定で復活することになった。タイブレーク制については、試合を早期決着させるために選手会が復活を望んでいることが報じられていた。一方、タイブレーク制と同様に過去2シーズン採用されていた7イニング制のダブルヘッダーは廃止され、9イニング制に戻ることが決まっている。

そして、最大の注目ポイントは「大谷翔平ルール」の導入だろう。これは、DHを使用せずに先発投手が打線に名を連ねた場合、降板後もDHとして打線に残ることができる、というもの。たとえば、大谷翔平(エンゼルス)が「1番・投手」としてスタメン出場し、5回でマウンドを降りたとしても、6回以降はDHとして試合に残ることができる。現状ではメリットを享受する選手が大谷くらいしか見当たらないため、「大谷翔平ルール」と呼ばれている。このルールは今季限定ではなく、新労使協定が有効な5年間、存続する予定だ。

なお、これらの新ルールは、現時点ではメジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会による暫定合意という状況。来週行われるオーナー投票を経て、正式に導入が決まる。シャーマン記者は「オーナー30人の過半数の賛成が必要なだけであり、可決される見込みだ」と伝えている。

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