【交差点内での事故を減らす】“一時停止”は停止線前、絶対守ろう!

交通事故はいつどこで遭遇するかは誰も分からない。しかしセルフディフェンスを心構えておくことで、未然に防ぐこともできるはずだ。今回は常に交通事故発生件数トップである交差点の“一時停止”にポイントを絞り円滑的安全な運転を考える。

交差点内は、交通事故件数No.1!

先日知人に「一時停止で停止したにもかかわらず反則切符を切られてしまった」と言われたので、私は「それは停止線を超えて止まったのだろう」と応えると、案の定そうなのだと言う。

これは“一時停止はとにかく一旦停止すれば良い”このように考えている人が多いからだと思う。

一時停止は、『停止線上に車体が掛る前に一旦停止し、安全確認をしながら徐行(人が歩くほどのスピード)し交差点内に入る』である。交差点内(停止線の内側)に入ってから一旦停止したのでは遅いのだ。

交差点の一時停止は警官が良く取り締まりをしている。日ごろから停止線の手前で停止する癖をつけておけば問題ない。

一時停止というルールがあるわけを考える

そもそも一時停止のルールがなぜ存在するのか。

優先道路へと進む際の安全のためというのが大きな理由であるが、ただそれだけではない。例えば優先道路側から支線へ入る際の内輪差を考えた位置に停止線が引かれていたり、優先道路を走行中の他車などへ自身の存在を知らせたりするためということもある。ルールが守られてこそ安全かつ円滑な交通コミュニケーションが取れるのだ。

私自身も優先道路を走っていてよく感じるのだが、一時停止側の道路からスピードをさほど落とさずに、優先道路側ギリギリのところで一時停止されるとヒヤッとしてしまう。中には横断歩道もまたいでから止まる車両もある。自転車や歩行者が飛び出して来たら、事故にもなりかねないパターンだ。

まずは一時停止線の前で一旦停止すること。これだけをみんなが守るだけでも、交差点内の事故はかなり減少すると思っている。

停止線よりも数十センチ手前で停止。ベストではないが、これならば卒検をパスすることはできるし、警察官に呼び止められることも無い。
これは線に乗ってから停止しているためにNG。すでに交差点内に進入したあとで止まっているという状態である。“止まったから良い”ではないのだ。
ほぼベストの停止位置。ここで一旦停止してから、周囲の安全を確認しながら、徐行で交差点内に入っていく。これが正解のパターン。

一旦停止線から先の区間は、ラリーのタイムアタックを行うスペシャルステージを繋ぐ「リエゾン」と考えた

停止線から優先道路までの区間を、ラリーで言うところのリエゾンとして考えている。しっかりと安全を確認できるまでは何度でも停止するように心がけている。

私は一時停止線と、優先道路の数十センチメートルの間を、ラリーで言うところのリエゾン区間と考えている。

タイムアタックを行うSS(スペシャルステージ)とSSを繋ぐ場所であり、リエゾン区間では一般の車両に混じって走行しなければならない。もちろんレースであるが、その地域の交通法規を守らなくてはいけないのだ。

その感覚と同じように、交差点の場合は徐行運転をしなくてはならない。線の手前で一旦停止をし、ゆっくりと左右周囲の安全確認をしながら交差点へと進入、そして次のSS区間をスタートさせるというイメージだ。

交差点へ進入または通過する際は、ストップ&ゴーなのでは無く、リエゾン区間があることを認識することだけでも、かなり変化が現れるのではないかと考えている。

“二回停止”と考えるくらいでも良いはず

付け加えるならば、停止線の手前で一旦停止、徐行してリエゾンに入り、次のSS手前でさらにもう一度停止するくらいの心構えでも良いかと考えている。

私は実際にこのようにしているし、そのおかげで隠れた警察に停められることも、交差点内で事故をしたことも受けたことも無い。今後100%防いでいけるかどうかという話は別としても、確率論的には注意を払って2回でも3回でも止まって安全確認をした方が良いと考えているのだ。

ほぼブラインドコーナーと言える交差点において、一時停止側の車両が交差点内に入ってきて停止したところ。ここでやっと両者が存在を確認できている。
停止線の位置で停止しても、優先道路側の車は見えていない。ここから徐行で交差点に進入し、周囲から車両や歩行者などが来ないか安全確認することが重要なのだ。

教習所で習ったことを思い出す

今回は一時停止に焦点を当てたが、例えば交差点を曲がる際には30m手前でウインカーを出すということや、高速道路では走行車線を通行することを基本とし追い越し車線は開けておくことなど、基本的なことが行われていないことをよく見かける。

これらのことは教習所で習得してきたはずなのだが守られていないのだ。

ドライビングスキルや経験と言うのは一人ひとりが異なるものであり、その皆が同じ道路を使ってい走っていることを考えると、守るべき最低限のルールというのも見えてくると思う。私自身気を付けてはいるものの、抜けてしまうことあるかもしれない。

事故の加害者にならないために、また自分が事故に遭わないためにも、基本的な交通ルールをいま一度思い返して安全なカーライフを楽しみたい。

【筆者:小松 男】

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