夏の参院選の公示日が確実視される6月22日まで3カ月となった。栃木選挙区(改選数1)では22日現在、3選を目指す自民党現職の上野通子(うえのみちこ)氏(63)のほかに、2人の新人女性が立候補を予定している。上野氏の陣営は着々と準備を進め、連立政権を組む公明党との選挙協力の環境も整いつつある。一方、野党第1党の立憲民主党は候補者選びが難航し、野党共闘に向けた話し合いもできない状態だ。
「未熟者だがここまで育った。もっと女性を、栃木を元気にするため頑張っていく」。19日、宇都宮市内のホテルで開かれた自民県連女性局総会で、上野氏は集まった女性に支援を求めた。
総会後に行われた政治塾の会合では、木村好文(きむらよしふみ)県連幹事長と講師役の西村康稔(にしむらやすとし)前経済再生担当相がそろって「当選できれば(3期目は)間違いなく大臣だ」とアピールした。
調整が難航した公明党との相互推薦問題も前進。木村氏は公明党県本部の山口恒夫(やまぐちつねお)代表と話し合いを持つ考えを示した上で「公明との関係もうまくいく。自公で安定した政権を維持する」と強調した。
翌20日、同所で立民県連の定期大会が開かれた。福田昭夫(ふくだあきお)代表はこの日までに候補者を発表したい考えだったが、擁立には至らなかった。関係者によると、2月末に公募に応募した50代女性と面談したが、話がまとまらなかったという。
福田氏は「何としても擁立する」と力を込め、駆け付けた西村智奈美(にしむらちなみ)幹事長も「当選のために党本部としても支援していく」としたが、準備の遅れは否めない状況だ。
共産党県委員会は元佐野市議の岡村恵子(おかむらけいこ)氏(68)の擁立発表後も、野党統一候補を目指す姿勢は崩していない。立民、共産は代表間で1人区での候補者調整を行うことで合意。一方、国民民主党とは距離が生じており、連携の枠組みも一つの焦点となる。
「NHK受信料を支払わない国民を守る党」からは高橋真佐子(たかはしまさこ)氏(56)が立候補を表明している。
昨年、衆院選栃木1区に候補者を擁立した日本維新の会は、全国比例で前県議の西川鎭央(にしかわやすお)氏(50)を擁立するほか、栃木選挙区でも独自候補の擁立を目指している。
2016年の参院選比例代表でおおさか維新の会(現日本維新の会)から出馬し、現在は無所属の渡辺喜美(わたなべよしみ)氏(70)は改選期を迎えるが、態度を明確にしていない。