【新型コロナ】神奈川の死者、高齢者割合さらに上昇 第6波で施設クラスター相次ぎ

神奈川県庁

 神奈川県内の新型コロナウイルス新規感染者は3月以降、減少傾向が続く。一方で死者数はオミクロン株が主流となった1月以降の第6波だけで651人を数え、これまでの累計(1970人)の3分の1に及んでいる。このうち9割を70代以上の高齢者が占めており、県は「感染力の強いオミクロン株がクラスター(感染者集団)として高齢者施設で広がった。亡くなる人を減らせるよう対策を講じたい」と警戒感を強める。

 県医療危機対策本部室によると、昨年末までの県内の死者数は1319人で、そのうち70~100歳代の高齢者は82%だった。年明け以降のオミクロン株感染拡大に伴い、その割合はさらに上昇。2月の死者353人のうち92%、3月(23日まで)の死者274人のうち91%を占めた。

 同対策本部室の担当者は「オミクロン株では若年層の感染者が重症化する割合が減っている」とし、感染者に占める高齢者の割合が高くなったことが影響したとみている。第6波では、横浜市内の施設で20人以上の入所者が死亡したケースなど高齢者施設でのクラスターが相次ぎ、ピークとなった3月10日には県内でクラスターが継続中の福祉・介護施設が過去最多の351施設にも上った。

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