【曽田陵介「猫のひたいほどワイド」卒業記念】細貝圭×曽田陵介 特別対談~「圭さん、芝居の面白さを教えてください!」

テレビ神奈川(tvk)の情報番組「猫のひたいほどワイド」に、番組リポーター“猫の手も借り隊”として2年間出演した曽田陵介が、3月28日の放送で番組を卒業する。

TVガイドwebでは曽田の卒業企画として、彼と1年間共演した月曜MC細貝圭との特別対談を実施。細貝も同行した、曽田のラスト“潜入リポート”の撮影後、「猫ひた」での共演者であり、俳優としては先輩と後輩の関係でもある彼らに、番組のことや芝居について、たっぷりと語り合ってもらった。

――先日の「6周年感謝祭」で曽田さんからのビデオメッセージの後、細貝さんが「(曽田さんが)早くから懐いてくれた」とおっしゃっていましたが、この1年で親交は深められた感じですか?

曽田 「はい。最初から仲良くさせていただいています。先輩ですけれど、何の話でもしてくれる本当に優しい方です」

細貝 「という体ですけどね(笑)。月曜の“猫の手も借り隊”だと、(奥谷)知弘は元々知っていて、曽田と(早瀬)圭人、(木村)魁希は“初めまして”だったのですが、曽田は距離を縮めるのが一番早かったですね。僕をいじってきて(笑)、思ったよりも早い段階で懐に入ってきました」

曽田 「最初の頃に、一緒に電車で帰ったことありましたよね」

細貝 「あったね」

曽田 「その時に“いけるな”と思ったんです(笑)」

細貝 「何が“いけるな”だよ(笑)」

曽田 「(圭さんは)何か言っても怒られないな、受け止めてくれる先輩だなって(笑)」

細貝 「僕はもうずっと、曽田にいじられてるんですよ(笑)」

曽田 「してない! してない!」

細貝 「今日も初めての2人ロケだったのですが、なんか本当に遊びに行ったみたいな感じだったよね」

曽田 「圭さんと2人でロケに行くのは初めてだったんですけど、初めてとは思えないくらい面白いロケで。すごく楽しい充実した1日でした」

――借り隊のイエロー時代から拝見していますが、ブルーになってからの曽田さんは、いっそう番組を盛り上げるために頑張っていらっしゃった印象があります。いい意味で、奇麗にまとまろうとしていない感じが、好感が持てるなと思っていました(笑)。

曽田 「またまた、言葉選びがすてきですね(笑)。確かに、まとまろうとはしていなかったかもしれません。借り隊それぞれのキャラがありますし、それが浮き出たらそれはそれで面白いと思うので。まとめるのは、圭さんがやってくれますから。みんなを遊ばせといて、最後にまとめてくれるんで(笑)」

細貝 「まとめられてるかな…」

曽田 「まとめられてますよ」

細貝 「(2021年度の)月曜メンバーはそれぞれにキャラはあるのですが、“われがわれが”というタイプの子はいないんですよね。曽田もそうですが、ちゃんとバランス見ながらやってくれる。そんな月曜の雰囲気が僕はいいなと思っています。だから、曽田が卒業してしまうのは寂しいですね」

曽田 「卒業は寂しいです。でも、まだあまり実感はないんです」

細貝 「2年間だもんね。2年ってすごいな」

――同じく月曜イエローからブルーになって昨年卒業した林勇輝さんの在籍期間が1年半だったので、抜いちゃいましたね

曽田 「勇輝くんも本当に優しい先輩でした。怒らないし(笑)」

細貝 「怒らなければ、みんな優しい先輩なんでしょ」

――曽田さんの人柄や持っている雰囲気が、多くの人に受け入れられるのだと思いますよ。

曽田 「でも僕、実はめっちゃ人見知りなんですよ。普段はあまりしゃべらないんです。圭さんとはこうやって仲良くさせていただいていますけれど。もしかすると『猫ひた』が人見知りの部分を変えてくれたのかな。最初のイエロー時代は本当に人見知りで、終始緊張していたんです。でも、“潜入リポート”のロケでいろいろな方とお話する機会をたくさんいただけたことで、少しずつ変わっていったのかもしれません。その辺りは少しは成長できたのかなと感じます。やっぱりあるのかな、“猫ひた効果”。いろいろなご縁があって、充実した2年間でした」

――曽田さんの潜入リポートですと、左利きの方向けの道具をそろえた文房具店に行っていた回が印象に残っています。それらの道具に触れた時の、左利きの曽田さんだからこそ出る素直な感想を聞いて、右利きの自分は左利きの方が普段から感じている不便さを想像したことがなかったなと、いろいろ考えるものがありました。

曽田 「ありがとうございます。リポートを見ていただいて、そう言っていただけるのが一番うれしいです。日々の放送をしている中で、正直(見ている方に)伝わっているか不安だなというところもあったので、今のような声をいただけたのは本当にうれしいです」

――「猫ひた」では日々、視聴者の方からたくさんメッセージが届きますよね。

細貝 「メッセージをいただけるのはうれしいですね。やっぱり、見ている方のリアルな反応が返ってくるじゃないですか。それを読むのは楽しいですし、借り隊のみんなが褒められていると、うれしいですもん」

――借り隊の皆さんは細貝さんにとって、弟のような感じですか?

細貝 「なんなんでしょうね。それがもう不思議なんですよね。母性なのか、父性なのか、よく分からないこの感情(笑)。曽田は来られなかったけれど、先日の感謝祭の第2部は“色別対抗”で、知弘と僕は同じチームだったけれど、圭人と魁希はそれぞれ別のチームだったのね。でも、他のチームに行った彼らを応援している自分がいて。魁希が前に出てしゃべり始めたら『おっしゃー』みたいな(笑)。本当に親目線というか、ウチの子たちがかわいいというか、そんな気持ちでいっぱいでした」

曽田 「(笑)」

――MCの方は皆さん、似たような感情はお持ちなのだと思います。ところで、「猫ひた」のアシスタントを務める岡村帆奈美アナウンサーは以前、BSS山陰放送(島根県と鳥取県が放送エリア)に勤務されていました。島根県出身の曽田さんにとっては、地元にゆかりのある方とお仕事ができたのも、うれしかったのではないですか?

曽田 「はい。岡村さんとは島根という共通の話題があって、しゃべりやすかったです。岡村さんも何でも話を聞いてくださって、本当に優しい方です」

細貝 「2年間で相当、岡村さんに助けられた部分は多いんじゃない?」

曽田 「6割5分岡村さんに助けられました(笑)」

細貝 「俺、9割助けてもらってる(笑)」

曽田 「岡村さんにも本当にお世話になりました」

――ここからは俳優としてのお話をお伺いします。曽田さんはたくさんお芝居の仕事もされていますが、芝居のどんなところに面白さや、やりがいを感じていらっしゃいますか?

曽田 「難しいな。やりがい、面白い…、でもお芝居はとっても好きなんですよ」

――今後も俳優として進んでいきたいという思いは、強くあるのですよね。

曽田 「はい。今はまだ一つ一つ勉強させてもらっている感じです。お芝居のやりがい、楽しさ…何だろうな、すみません出てこなくて」

細貝 「曽田はまだ、自分がどんなふうに考えているか俯瞰で見られる状況ではないのかもしれないね。(彼を見ていると)目まぐるしく時間がたっている感じだし、今は複数の役を並行して演じていて、短い間でいろいろな役に向き合って頑張っている時だと思うから」

曽田 「そうなのかな。お芝居が好きなのはもちろんなんですけれど、今は一つ一つのことに本気で全力で取り組むのが大事なことだと思っています。いただいた役に対して誠心誠意向き合っていくというのが、今一番楽しいことなのかなと思います」

――先輩である細貝さんの仕事やお芝居への向き合い方も聞かせてください。

曽田 「聞きたい、聞きたい、待ってました」

細貝 「何ですかね(笑)。30代後半に入って、仕事への向き合い方が『猫ひた』でもそうですが、無理しない感じになって、自分のペースを守るようになりました。あと、息抜きの時間というか、自分を取り戻す時間、リラックスする時間が大事だなということも分かってきました。そういう時間は大事で、例えば舞台と映像のお仕事がかぶっている時でも、息抜きの時間を設けるようには心掛けています」

――自分を解放する時間を挟むことによって、それがより良い仕事やお芝居にもつながってくる感じでしょうか?

細貝 「そうですね。そして、いいお芝居をするということは常に忘れず、一つ一つの仕事は丁寧にやっています」

曽田 「圭さんが言っているような息抜きの時間のこと、僕は考えてなかったですね」

細貝 「20代はそれでいいと思うよ。とにかく前だけを見て、走る!」

曽田 「圭さんはスキルがあったり、現場経験があったりするから、自分を客観視できるのかな、うらやましいな。僕は今、とても楽しいですけれど、まだ主観でしか見られてないのかもしれないです」

細貝 「(ほほ笑みながら)曽田は今、バラエティー番組もたくさん出てるじゃん。演技の仕事とバラエティー番組とどっちが楽しいの? やっぱりお芝居なの?」

曽田 「バラエティー番組にはバラエティー番組の楽しさがあるので、両方ですかね。でも、お芝居ってお芝居でなければ味わえない“刺激”があるじゃないですか。お芝居をしていると内面的に伝ってくる『来たこれ!』みたいな感覚が絶対にあって。僕、それが本当に好きなんです」

――細貝さんとの会話の中で曽田さんなりの答えが出てきたようですね。曽田さんは読書をたくさんされるそうですが、本から吸収することもお芝居に生きている感じですか?

曽田 「本は元々好きで前からたくさん読んでいたんですけど、今は感性を豊かにしたいと思って読んでいますね。俺、感性鈍いんです(笑)。最初、台本を読んでもその絵が全く想像できなくて。本をもっとたくさん読むことで感性や想像力を養えるのかなって考えているんです」

――努力されている姿勢が伝わってきます。

曽田 「圭さんがお芝居のどんなところが好きか、まだ聞けてなかったですね」

細貝 「(声をあげて大笑い)なんでその流れで来るんだよ(笑)」

曽田 「俺、聞きたいんです! 他の人がお芝居のどんなところを面白いと思っているのか」

細貝 「お芝居がなぜ好きか。“自分という存在を認めてくれる場”だからかな。俺、ずっとアメリカに住んでたじゃない。子どもの頃、月~金曜は現地の学校に通っていて、土曜は日本人学校に行ってたんだけど、日本人学校がすごい楽しかったの。自分になれてて。現地の学校に通っている時は、自分じゃない人間で学校にいたんだよね。作ってしまって。日本人学校では自分になれてたから、楽しかったんだよね。お芝居の仕事も同じで、仕事関係の方から『細貝を使いたい』って言ってもらえること、多くのファンの方々から応援してもらえることで、自分という存在が認められていると感じられるんだよね。ファンの皆さまからいただく『細貝くんのおかげで仕事頑張れます』『学校頑張れます』という一言がすごく生きがいになっているんだ」

――反応をいただくと、力が湧いてきますよね。

細貝 「はい。だから、俺は人が喜んでくれることが好きなんだと思います」

曽田 「なるほど」

――お二人でいつか共演できるといいですね。

細貝 「共演するとしたら、どんな関係、親子?」

曽田 「いや、違いますよ。ヒーロー(自分)、悪い人(細貝)」

細貝 「逆、逆(笑)。ワル曽田を見たい、ワル曽田を」

曽田 「ワル曽田を見たいですか? 悪い役もやってみたいですけどね。ダークヒーローとか」

細貝 「言ってるもんね。ずっと悪役やってみたいって」

――頭脳派のハッカーの役なんて似合いそうな気がしますが。

細貝 「やりそう!」

曽田 「(キーボードを打ちつつセリフを言うまねをしながら)ハッカーのセリフって難しそうじゃないですか(笑)。頭のいい人が言うセリフ、苦手なんですよ(笑)」

細貝 「なんかでも、世間がイメージしている曽田じゃない役を見たいね」

曽田 「そうですね(笑)。でも、どんな役を演じるにしても、お芝居は楽しいです!」

細貝 「そうだね」

――では最後に、「猫ひた」の番組サポーターの方、読者の方へのメッセージをいただいて終わりたいと思います。

細貝 「曽田が卒業ということでまだ実感がない部分もあるのですが、本当に寂しいです。今の月曜メンバーでの時間は限られていますが、精いっぱい楽しんで、残りの時間を大事に皆さまにお届けできたらと思います。また、番組は4月から新体制で、月曜は圭人以外、全員メンバーチェンジします。まだ、どんな月曜になるか想像できないのですが、新体制の月曜も今までとはまた違った楽しさ、チーム感も出るかと思うので、今後の『猫ひた』もまたよろしくお願いいたします」

曽田 「2年間お世話になった『猫ひた』をとうとう卒業してしまいますが、本当に楽しい思い出ばかりで、スタッフさん、キャストの方々、視聴者の皆さまには、本当に感謝しかありません。今回の卒業でさよならではなくて、ほかのところでもし僕を見かけることがあったら『“猫ひた”の曽田ちゃんだ』といった感じで、気軽に言っていただければ僕もうれしいです。僕もまた『猫ひた』に出演できるように頑張っていきます。そして、細貝圭さんやほかのメンバーの方々が作る新体制の『猫ひた』も、ぜひ見てください!」

細貝 「見るんでしょ」

曽田 「もちろん」

――次は俳優・曽田陵介としてゲストで出演してほしいですね。

細貝 「ゲストでまた来てくれるとうれしいですね」

曽田 「その際はぜひ、よろしくお願いします!」

――ありがとうございました。

借り隊イエロー時代の合言葉のように、“俳優に通ずる道”を究めて「猫ひた」を卒業していく曽田さん。インタビューでは「お芝居は楽しい!」という言葉の中に、俳優としてこれからも突き進んでいくという強い思いを伝えてくれました。また、そんな曽田さんのことを笑顔で受け止める細貝さんの姿も印象的でした。俳優の先輩であり、包容力のある細貝さんとの出会いは、曽田さんにとって大きなものだったのかもしれません。彼らがお芝居で共演する日を楽しみに待ちたいと思います。

【プロフィール】

細貝圭(ほそがい けい)
1984年10月10日生まれ。東京都出身。「猫のひたいほどワイド」月曜MC。出演作に 特撮ドラマ「海賊戦隊ゴーカイジャー」(テレビ朝日系)、「ウルトラマントリガー」(テレビ東京系)、ミュージカル「テニスの王子様」、舞台「戦国BASARA」「飛龍伝2020」「文豪ストレイドッグス 太宰、中也、十五歳」「修羅雪姫」「BASARA」、映画「ウルトラマントリガーエピソードZ」など。ゲーム「あんさんぶるスターズ!」では声優も務める。


曽田陵介(そた りょうすけ)
1997年10月24日生まれ。島根県出身。出演作に「ドラマ家、ついて行ってイイですか?」(テレビ東京系)、「おしゃ家ソムリエおしゃ子!2」(テレビ東京ほか)など。今後はドラマ「村井の恋」(TBS)、「不幸くんはキスするしかない!」(MBS)に出演予定。

【番組情報】

「猫のひたいほどワイド」
テレビ神奈川(tvk)
月~木曜 午後0:00~1:30 (午後0:00~0:30はテレ玉、チバテレも放送)

取材・文/大山敬仁

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