倉敷うどん ぶっかけ ふるいち仲店 〜 倉敷の食文化「ぶっかけうどん」を世界に広めるのが役割

観光の醍醐味は、訪れた地域の文化や歴史に触れること。
そのなかで「食」は一番の楽しみといえるでしょう。

せっかく観光に訪れるなら、地域に根付いたおいしいものが食べたいですよね。

倉敷の名物といえば「ぶっかけうどん」です。
そのぶっかけうどんを広めた店が「倉敷うどん ぶっかけ ふるいち(以下、ふるいち)」。

ふるいちは、倉敷で長い歴史を持つお店です。
そして食べたことがある倉敷っ子も多いであろう、ふるいちのぶっかけうどん。

あの倉敷市出身の野球選手 故・星野仙一(ほしの せんいち)もふるいちによく食べに来ていたそう

倉敷の人間にとって、ふるいちの黄色地の○に「ぶ」のマークはおなじみです。

そんな、倉敷市民の心の味・ふるいちについて紹介します。

ふるいちは、倉敷を中心に市内外に店舗がありますが、倉敷駅前のセンター街にある仲店(なかみせ)を取材しました。

倉敷うどん ぶっかけ ふるいちは倉敷名物「ぶっかけうどん」を中心とした老舗うどん店

ふるいちは、倉敷市を中心に展開しているうどん店です。

とくに「ぶっかけうどん」が有名で、いまや「倉敷名物」といわれるほどの人気をほこっています。

倉敷に来たらふるいちを食べに来ることを楽しみにしている観光客も多く、海外からのお客さんからも人気です。

ふるいちの起源は、約100年前に創業した製粉業
歴史のあるお店なんです。

仲店は、ふるいちのうどん店の中枢店舗で、倉敷駅前の商店街の一角にあり、全国のうどんファンから「ぶっかけうどんの聖地」としても愛されています。

倉敷名物となったぶっかけうどんは、全国的に食べられているぶっかけうどんとは違った特徴をしています
また、ふるいちはぶっかけうどんだけで数種類あるのも魅力です。

ふるいちは、全国から集まったうどんで日本一を競い合う「うどん天下一決定戦」に出場しました(2017年で開催終了)。

なんと、ふるいちは2016年・2017年連続優勝をし、二連覇を達成しています!

倉敷うどん ぶっかけ ふるいち 仲店のメニュー

ふるいち仲店のメニューは、大きく分けて、以下のグループに分かれます。

  • ぶっかけうどん
  • 汁うどん
  • その他のうどん、麺類
  • サイドメニュー
  • カキ氷

ぶっかけうどんと汁うどんは、ふるいちの他店でもほぼ同じですが、それ以外のメニューには、仲店オリジナルものも。

順に紹介します。

メニューの内容・価格は消費税込。2022年(令和4年)3月時点のもの

▼ふるいちは、ぶっかけうどんだけで多彩なバリエーションがあるのが特徴です。

ぶっかけメニュー写真提供:ふるいち

ぶっかけうどんは、冷たいものと温かいものを選べます
ただし、肉ぶっかけなど一部は温かいもののみです。

冷たいぶっかけうどんにはワサビ、温かいぶっかけうどんにはショウガが添えられますが、注文時に申しつければ、冷たいものにショウガ、温かいものにワサビを添えることも。

もちろん、ワサビやショウガなしも可能です。

ほかに、期間限定のぶっかけうどんも販売されるときがあります。

▼ふるいちとえばぶっかけうどんの印象が強いですが、汁うどんもたくさんラインナップ。

汁うどんメニュー写真提供:ふるいち

汁うどんは、いわゆるかけうどんです。

ほかにもざるうどんや釜玉、そうめんなども。

▼サイドメニューには、天ぷらや丼、稲荷寿司などがそろいます。

サイドメニュー写真提供:ふるいち

夏場に人気のカキ氷も、バリエーションが豊か。ぜんざいもあります。

▼お得なサービスとして、毎週金曜日の午後3時以降は、なんとうどんの大盛り料金100円が無料に!

並盛りの料金で大盛りが食べられるなんて、かなりお得です。
学生さんは大喜びでしょう。

倉敷うどん ぶっかけ ふるいちの人気メニュー・おすすめメニュー

ふるいちは、たくさんのメニューがあります。
看板のぶっかけうどんだけでも迷ってしまうほど。

そこで、人気のメニュー・おすすめのメニューを紹介します。

メニューの内容・価格は消費税込。2022年(令和4年)3月時点のもの

初めて食べるなら基本の「ぶっかけうどん」から

▼やはり、初めてふるいちに訪れたなら、スタンダードな「ぶっかけうどん (税込560円)」がおすすめ。

提供:ふるいち

ぶっかけうどんは、全体の注文の2割ほどを占める一番人気のメニューです。

中央にウズラの卵、まわりに天カス・ネギ・刻み海苔(のり)がたっぷりと入っています。

かかっているダシ汁は、甘めで深い味わいなのが特徴です。

ぶっかけうどんには「冷」と「温」があります。

と、ふるいち仲店のマネージャー・岡田さん。

  • ダシを楽しみたい、寒いときは「温」
  • 麺を楽しみたい、暑いときは「冷」

というパターンが多いそうですが、冷・温のどちらを頼むかは好みしだいです。

夏に人気の「おろしぶっかけ」「ぶっとろ」

おすすめは温かいぶっかけうどんといっても、夏にはやっぱり冷たいぶっかけうどんも人気。

夏に人気が出るぶっかけうどんは「おろしぶっかけ (税込670円)」と「ぶっとろ (税込670円)」です。

▼おろしぶっかけは、たくさんの大根おろしが入っているぶっかけうどんです。

写真提供:ふるいち

大根おろしの清涼感が暑い夏にピッタリで、食が進みます。
また、大根おろしにダシがよく染みこませるとよりおいしいです。

▼ぶっとろうどんは、とろろがたっぷりと入ったぶっかけうどんです。

写真提供:ふるいち

すりおろしたナガイモの滑らかな粘りは、うどんやダシとよく絡んで、独特の味わいを楽しめます。

いつもよりツルツルッと勢いよくうどんを食べるのがおすすめ。

冬に人気の「肉ぶっかけ」「天ぷらぶっかけ」

寒い冬には、やっぱり温かいうどんが食べたいもの。
冬に人気が出るぶっかけうどんは「肉ぶっかけ (税込 680円)」や「天ぷらぶっかけ (税込 730円)」です。

▼肉ぶっかけは、甘辛く煮た牛肉がたっぷりと入ったぶっかけうどん。

写真提供:ふるいち

肉のうま味、煮汁の甘辛さ、ダシの風味の相性が抜群で、深い味わいを楽しめます。

具材のコンブ、肉といっしょに煮込まれたタマネギもよい仕事をしていました。

▼天ぷらぶっかけは、エビ天ぷらが一本入っているぶっかけうどんです。

大きめのエビ天は、衣がサクサク。そのサクサクの食感のあとには、中のエビのプリプリとした食感を楽しめます。

エビ天をしっかりとダシに沈め、ダシの染みこんだエビ天を食べるのもおすすめです。

なお、肉ぶっかけにエビ天を入れた「肉天ぶっかけ(税込 850円)」もあります。
また、肉ぶっかけ・肉天ぶっかけは、温かいものしかありません。

ぶっかけを制覇した通向けメニュー・汁うどんは「きざみうどん」が人気

ふるいちには、ぶっかけうどんのほかに「汁うどん」も種類が豊富にあります。

汁うどんはかけうどんのことで、実はふるいちがうどんを提供し始めたときからあります。

ぶっかけうどんよりも、汁うどんのほうが歴史が古いのです。
しかも、汁うどんもダシにこだわっていて、ふるいち自慢の逸品。

だから、昔からのファンや、ぶっかけうどんを制覇した「ふるいち通」のあいだに人気があります。

汁うどんの中でも、昔から人気があるのが「きざみうどん (税込 660円)」です。

▼きざみうどんは、特製の油揚げとたくさんの具材が入った、具沢山なうどん。

写真提供:ふるいち

うどんを提供し始めたころからのふるいちファンは、「ふるいちといえば、きざみうどん」というほどだとか。

大盛りのカキ氷も人気。ふーまんと同じ粒餡がポイント

ふるいちは、カキ氷も人気です。

かき氷メニュー

メニューの内容・価格は消費税込。2022年(令和4年)3月時点のもの

とにかく量が多いのがふるいちのカキ氷の特徴。
山のように盛られたカキ氷は、一度は食べてみたいもの。

さらに、味のバリエーションが多彩なのも人気の秘密です。

中でも、人気なのは「金時」シリーズ。
金時とは、粒餡を乗せたカキ氷のことです。

ふるいちの金時カキ氷は、ふーまんと同じ粒餡を使っているんです。
ふーまんの粒餡は、今も創業時から変わらぬ製法でつくっていることで根強い人気があります。

ふーまんは「夫婦饅頭(ふうふ まんじゅう)」の略で、他地域では「大判焼き」「今川焼き」「回転焼き」などと呼ばれているもの

ぶっかけうどんのおすすめの食べ方

ふるいちの看板メニューのぶっかけうどん。

せっかくなので、ふるいち仲店のマネージャー・岡田さんに、ぶっかけうどんを一番おいしく味わえる、おすすめの食べ方を教えてもらいました。

▼さっそく、かき混ぜてみましょう。

▼せっかくきれいに盛り付けられているのですが、躊躇(ちゅうしょ)なくしっかりと混ぜます。妥協はいりません。

▼しっかりと混ぜたら、ここから一気にうどんを食べていきます。

豪快な印象ですが、食べるといろいろな味わいが一体となった、豊かな風味が楽しめました。

トッピングの違いや、冷か温かでも味わいが変わってきておもしろいと思います。
ぜひ、いろいろなぶっかけうどんで試してみたいです。

ふるいち 仲店は昔ながらの雰囲気を残している

ふるいちは、2022年現在、市内外に14店舗を展開しています。
ふるいち全店の中で、仲店は昔ながらの雰囲気を残した店です。

もともとは、本店でふーまんなどともにうどんも販売していましたが、やがてうどん専門店として分離して仲店が誕生しました。

そのため、うどん好きのあいだでは仲店は「ぶっかけうどんの聖地」となっています。

ちなみに、仲店の岡田さんによると、仲店から少し離れたところにも昔は支店があって、本店ともう一店の中間にあるから「仲店」と命名されたそうです。

「中」ではなく「仲」なのは、浅草の「仲見世通り」にあやかっているのではないかとのこと。

店内のようすを紹介します。

店内の撮影は、初回取材時の2019年8月に撮影したものです。

現在は「岡山県飲食店感染防止対策第三者認証」を取得し、感染症対策を行っています。

岡山県飲食店感染防止対策第三者認証を取得

▼仲店の1階には、レジ・厨房とテーブル席があります。

▼2階にテーブル席がたくさんありました。

▼カウンター席は、2階の窓際にあります。

いまや倉敷名物となったぶっかけうどん。

そんなぶっかけうどんを長年つくり、地元住民や観光客から絶大な人気をほこる、倉敷うどん ぶっかけ ふるいち 仲店のマネージャー・岡田 将和(おかだ まさかず)さんに話を聞いてみました。

倉敷うどん ぶっかけ ふるいち 仲店の岡田マネージャーにインタビュー

倉敷市民の心の味ともいえる、ふるいちのぶっかけうどん。
観光客など、市外・岡山県外からも注目されるようになりました。

そんな、倉敷うどん ぶっかけ ふるいち 仲店のマネージャー・岡田 将和(おかだ まさかず)さんにインタビューをおこないました。

インタビューは2019年8月の初回取材時に行った内容を掲載しています。

ふるいちの起源は現在の真備町の製粉屋にある

──ふるいちは、倉敷の住んでいるならおなじみの店ですが、歴史は古いんですか?

岡田────

ふるいちの起源をたどれば、100年以上前になります。

ルーツは、吉備郡二万村(現在の倉敷市真備町の二万(にま)地区)にあるんです。
二万で製粉業を起こしたのが起源になります。

現在の「ふるいち」として創業したのは、初代代表・古市 博(ふるいち ひろし)です。

現在ふるいちは戦後のアイスキャンディーの行商から始まった

──ふるいちとして現在地でお店を始めたのはいつごろなんでしょうか?

岡田──

戦後ですね。昭和20年代前半です。

博が自転車でアイスキャンディーの行商を始めたんですが、それがふるいちとしてお店を始めた最初になります。

しかし、アイスキャンディーは夏の食べ物です。
冬は何を売ろうかと考えて、思いついたのが夫婦饅頭(ふーまん)。

現在ふるいち本店のある場所で、ふーまんのお店を始めたんです。
そのときは「古市商店」という名前で商いをおこなっていました。

このふーまんはとても人気が出て、一躍「ふるいち」の名前が地域に知れ渡るようになったんです。

──その当時から、いまと同じ場所でふーまんを売っていたんですね!

岡田──

実は当時の本店は、現在よりもずっと広い店だったんですよ。

ただ、旧国道2号線(国道429号線)の拡幅で土地を譲渡したので、現在のような店になりました。

倉敷名物「ぶっかけうどん」誕生秘話

──うどんは、いつごろから始めたんですか?

岡田────

うどんを始めたのは、昭和30年代半ばごろですね。

アイスキャンディーの販売は、ふーまんが順調になってやめていました。
だから、夏になると売上が落ち込んでいたんです。

夏でも食べやすい何かを売ろうということで、昭和30年代半ばごろからうどんを始めたんです。

ちょうどそのころ、倉敷出身の星野 仙一(ほしの せんいち)さんも、ふるいちによくうどんを食べに来ていたんですよ。

ちなみに、昔はお好み焼きの販売もやっていたこともあります。

仲店のすぐ近くにお好み焼きのふるいちという店がありますが、昔ふるいちからのれん分けした店です。

──ふるいちの代名詞である「ぶっかけうどん」もそのころからですか?

岡田────

ぶっかけうどんは、うどんを始めた当初はなかったんですよ。
ぶっかけうどんを出したのは、昭和30年代後半です。

当時、博は仕事が終わったあとにマージャンをするのが楽しみでした。
そのときに、うどんを食べながらやっていたんです。

特にざるうどんが好きで、まだ小さかった現在の代表で、博の息子である古市 了一 (ふるいち りょういち)にうどんをつくらせていました。

でも、マージャンをしながらざるうどんを食べるのは、とても面倒。
そこで博は了一に、ざるうどんのつけ汁や薬味を最初からうどんにかけてから出すように言いました。

このうどんを食べていたとき、博は「これは店のメニューにしたらいいんじゃないか?」と思いつきます。

その翌日に、さっそく「ぶっかけうどん」としてお店に出したんですよ。
これがぶっかけうどん誕生の瞬間です。

その後、少しずつ改良を重ねていって、現在のようなぶっかけうどんになりました。

──ぶっかけうどんは、日常生活のなかのちょっとした思いつきからうまれたんですね。

岡田──

でも、最初は一日5杯くらいしか売れなかったんです。

ぶっかけうどんの人気が出たのが、了一が高校生になったとき。
そのころ、了一はウェイトリフティングや音楽活動に熱中していて、広い交友関係をもっていました。

その関係で、了一の友達の高校生がたくさんふるいちに訪れるようになったんです。

やがて高校生のあいだで「ふるいちのぶっかけうどんがおいしい」と口コミで広がっていきました

それがきっかけで、ふるいちのぶっかけうどんの人気に火が付いて、倉敷の老若男女が訪れて、ぶっかけうどんを食べるようになったんです。

ダシの素材の味がしっかり味わえるように材料にこだわっている

二代目代表 古市 了一 氏

──ぶっかけうどんのこだわりや特徴はありますか?

岡田──

ダシについては、素材の味がしっかりと味わえるものを提供したいと思っています。
そのために、いい素材・こだわった素材を使うようにしているんです。

ふるいちでは、ダシの素材は京都に昔からあるお店から仕入れています
京都は、歴史的に全国からいろいろなものが集まってきた場所。

だから、いろいろといいものがそのお店から手に入るのが強みなんですよ。
カツオ・利尻コンブ・シイタケなどを厳選して使っています。

ちなみに、汁うどんのほうもかなりこだわっているので、おすすめですよ。

まずは、いろいろなぶっかけうどんを楽しんでいただき、ぶっかけを制覇したと感じたら、ぜひ「応用編」として汁うどんを味わってもらいたいと思います。

讃岐うどんはイリコダシが多いのですが、それとの違いを楽しんでみるのもおもしろいですよ。

──麺のこだわりは?

岡田──

うどんの麺に力強さ・歯ごたえを求めるなら、国産小麦が使うのがいいんです。
しかし、ふるいちのぶっかけうどんに合うのは、しなやかさや弾力がある麺

ふるいちのうどん麺は、オーストラリア産の小麦をメインで使っています
ぶっかけうどんのタレに一番合うのは、オーストラリア産の小麦なんですよ。

仲店の特徴は「ぶっかけうどんの聖地」として昔ながらの雰囲気をあえて残していること

──ほかのふるいちの店にはない、仲店ならではの特徴はありますか?

岡田──

仲店は、昔ながらの雰囲気を残しているのが特徴ですね。

もともとうどんも本店で販売していたんですが、旧国道2号線拡幅の少し前に、うどんの専門店として現在地に分離しました。

建物はその当時のままなんですよ。
だから全国のうどんファンのあいだでは、仲店は「ぶっかけうどんの聖地」として親しまれているんです。

昔のままだから、注文方式がフルサービスで料金後払いなのも、仲店だけ。
ほかのふるいちの店は、セルフサービスが基本です。

あと、メニューもほかの支店とは少し違っていて、仲店独自のメニューもあったりしますよ。

ぶっかけうどん発祥の店として、これからもできるだけ昔の雰囲気を残していきたいですね。

ただ、バリアフリー対応や小さな子供がいる人への対応が難しいのが欠点です。

バリアフリーへの対応が必要だったり、小さな子供がいたりする場合は、市内の郊外にもふるいちの店がありますので、そちらの店のご利用をおすすめしています。

参考:ふるいち店舗一覧

真備町はふるいちのルーツの地なので平成30年豪雨のときは積極的に協力した

──ふるいちの初代代表は、現在の真備町出身と聞きました。真備町は「平成30年7月豪雨」で大きな被害が出ましたが、どんな思いがありますか?

岡田──

真備はふるいちのルーツの地ということもありますが、純粋に近くの地域で災害が発生したので、力になれればという思いが強いですね。

災害発生から3日後、ふるいちでは被災地へうどんを提供することを決めました。

実は、東日本大震災のときに行政とともに手助けしようと、ふるいちを含む地元の有志でボランティアチームを結成し、活動していたんです。

真備町の災害も、このボランティアチームで動きました。

ふるいちの仲店でうどんをつくり、ボランティアチームが現地に運んで配布するという活動です。

仮設住宅などが整備された9月まで、うどんの提供はおこないました。
全部で約7,000食を提供しましたよ。

ふるいちのうどんの魅力は毎日食べられるおいしさ

──マネージャーの岡田さんから見た、ふるいちの魅力・いいところは何でしょうか?

岡田──

ふるいちのよいところは「毎日食べられるおいしさ」だと思います。

ほかのお店のうどんもいろいろと食べてきました。
すごくおいしいなと思う店もあります。

だけど、毎日それを食べたいかといったら、ちょっと違う。

でも、ふるいちのうどんは、毎日食べられて、しかも毎日おいしいと思うんですよ。

ふるいちで働いているから、出勤の日はいつもうどんを食べます。
だけど、いつ食べてもおいしいなぁと思うんですよ。

毎日食べたいと思えて、毎日おいしいと思えるうどん。
それが、ふるいちのうどんなんです。

ぶっかけうどんはふるいちの名物ではなく倉敷の食文化。それをもっと発信したい

──今後の展望ややってみたいことをお聞かせください。

岡田──

ふるいちは、地域のみなさまのおかげで今までやってこれたと思っています。

ふるいちは、アイスキャンディーの行商からふーまんの販売に始まり、いろいろものを売ってきました。

その中でうどんを提供し、みなさまから評価をいただいてうどん店になりました。

ぶっかけうどんが人気になり、倉敷名物といわれるようになったのも地域のみなさまのおかげ。

ふるいちがぶっかけうどんを倉敷名物にしたのではなく、倉敷の地域のみなさまがぶっかけうどんを名物に育て上げたのです。

ぶっかけうどんはふるいち名物ではなく、倉敷名物であり、倉敷が生んだ食文化と考えています。
だから店名も「倉敷うどん ぶっかけ ふるいち」となったんです。

ふるいちの使命は、倉敷の食文化であるぶっかけうどんを、もっともっと世に広めることと思います。

それが、ふるいちを今まで愛していただいた倉敷の地域への恩返しになるんじゃないかなと。

まだまだたくさんの人に「倉敷うどん ぶっかけ」を知って欲しい。
そんな思いから「うどん天下一決定戦」への出場も決めたんです。

おかげさまで、大会では毎回好成績を残すことができました。
倉敷のためにお役に立てたかなと思います。

また、日本国内はもちろん、海外に向けても発信したいですね。
うれしいことに、海外からの観光客もインターネット等で倉敷の食べ物を調べてふるいちを知り、お店にたくさん訪れています。

日本には、まだまだ知られていない、さまざまな地域ならではの食文化があります。
各地のおもしろい食文化が、もっともっと知られたらおもしろいと思いませんか?

倉敷のぶっかけうどんが、そのきっかけのひとつになればいいなと思います。

おわりに

倉敷やその周辺で育った人にとって、ぶっかけうどんといえばなじみ深いもの。

私も子供のときから今でもよく食べます。

倉敷に来たら食べるものといえば「ぶっかけうどん」というのは、だいぶ知られてきた感じがします。

そのぶっかけうどんの生みの親のふるいちは、ぶっかけうどんは店の名物ではなく「倉敷という地域の食文化」だと考えていることに感銘を受けました。

地域で育まれた食文化を味わうことは、地域のことを知るきっかけだと私は考えています。

倉敷に訪れたら、ぜひぶるいち仲店のぶっかけうどんを味わってみてください。

また、秋・冬にはふるいち本店の昔ながらの「ふーまん」も楽しんでみてはいかがでしょう。

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