“今年の増産目標、必ず達成” 朝鮮電力工業省次官インタビュー 設備補強とシステム強化で需要充足

朝鮮労働党中央委員会第8期第4回総会で提示された課題遂行に向け、電力工業部門では年初から一斉に電力増産に乗り出している。電力工業省のキム・ヨンチョル次官に電力工業部門における成果や今年の目標を聞いた。

―昨年の成果とその要因は。

昨年は人民経済の主要工場、企業所と重要建設場で求められる電力需要を充足しつつ、住民世帯への電力供給でも実質的な成果があった。

電力工業省キム・ヨンチョル次官

その要因としては、電力供給状況を改善し生産された電力を効果的に利用するための事業をいっそう突き詰めていったことがあげられる。

現在、国の電力供給状況を改善して生産された電力を効果的に利用するうえで大きな役割を担っているのが、国家統合電力管理システムだ。これは国の統一的な指揮のもと、エネルギー資源を合理的に把握し電力の生産、供給、消費の全過程を監視、操縦、管理することを使命としている。

われわれ電力工業部門の活動家と研究員たちはこの数年間で、国内すべての発電所と変電所を含む電力系統に対するリアルタイム監視操作システムを完備した。

国家統合電力管理システムによって住民世帯が電気を節約できるさまざまな方法と手段が積極的に開発・導入されたことも、電力供給の安定性を保障するうえで重要な要素として作用している。

―朝鮮の電力生産の基本となる水力、火力発電所ではどうか。

昨年、国家科学院地球環境情報研究所と水理工学研究所の科学者たちが水力発電所で洪水発生を予測し、管理の科学化を実現できる高水準の情報システムを開発した。

これは先端科学技術を応用したもので、水力発電所の貯水池流域で発生する洪水と被害状況などを事前にシミュレーションしその被害を最小化し合理的な対策を樹立するための情報システムだ。

このシステムの開発・導入によって水力発電所で洪水被害を未然に防ぎ、電力生産を科学技術に依拠し増産できるもうひとつの土台が構築された。

また、これまで輸入に依存してきたタービン翼を国産化し製作原価を4分の1に縮小しつつ、より高性能なタービン翼を数百個、製作し設置した。

各地の火力発電所では省エネ型断熱レンガをボイラーに導入し、熱効率と燃焼効率をさらに高めた。

―党中央委総会では「当面の電力需要を円満に保障しつつ生産をより高い水準に引き上げる」などの課題が提示されたが。

電力生産活性化と整備補強事業をより強力に展開し、5カ年計画遂行の確固たる担保を構築しようというのが5カ年計画2年目におけるわが部門の目標だ。

その目標を達成するために、今年は電力生産計画を昨年よりも高く設定し、各発電所において現行生産実績のみならず金属、化学工業をはじめ連関企業に対する電力需要保障とその質まで厳格に追及し、生産を推し進めている。

新たな発電所の建設も積極的に推進されている(写真は昨年7月、新しいダムのコンクリート打ち込みが完了した端川発電所、労働新聞)

水力発電所では、電力生産を高水準かつ安定的に実現するための技術対策と、発電機や変圧器などの大がかりな補修を行いながら発電設備のフル稼働を保障しその安定性向上につとめている。

また、リアルタイム効率測定システムを導入し、発電所の運営を科学化し効率を上げる一方、発電操縦装置の現代化を力強く推進している。さらに、貯水池により多くの水を確保するための一連の事業計画も推し進めている。

火力発電所では生産能力を強化するためにボイラー、タービン発電機の大がかりな補修を計画どおり進めながら、不良設備や部品を交換修理し電力増産のための実質的な対策を講じている。

新たな発電所の建設も積極的に推進されている(写真は昨年7月、新しいダムのコンクリート打ち込みが完了した端川発電所、労働新聞)

一方、国家統合電力管理システムの運営水準をより高め、電力供給と管理の科学化、情報化を積極的に行っている。

新たな動力基地建設の一環として、端川発電所(咸鏡南道)工事に力量を集中させ、漁郎川3号発電所(咸鏡北道)建設、江原道内の中小発電所建設を引き続き推進している。

今後、自然エネルギーによる電力生産を年ごとに増やすための措置もとられる予定だ。

我われは自立経済の基本動力である電力生産の重要性をいっそう深く認識し、より高い電力増産成果で意義深い今年を輝かせていく決意だ。

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