貧打が課題も…中日が1位、巨人はBクラス転落 山本昌氏がセ・リーグ順位予想

中日・立浪和義監督(左)と巨人・原辰徳監督【写真:荒川祐史】

ともにプレーした立浪監督は「とにかく1点を取りにいく」

2022年のセ・リーグは「混戦必至」の声も多い。プロ野球史上ただひとり50歳でマウンドに立ったレジェンド左腕・山本昌氏も「正直、どこが優勝してもおかしくない」と見る。上位と下位の3チームずつが“二極化”した昨季からどう変わるのか――。キャンプやオープン戦を視察した上で、今季の順位を予想してもらった。

【順位一覧】巨人はBクラス…勢力図変わる? 山本昌氏が展望したセ・リーグ順位

差はないと前置きした上で、1位に推したのは古巣の中日。大野雄、柳の二枚看板が引っ張る先発陣に加え、守護神ライデル・マルティネスが残留した救援陣も数が揃う。昨季からの課題は貧打だが、立浪監督と20年以上ともにプレーした経験を踏まえ「とにかく1点を取りにいくことを積極的にやっていくと思います」と見る。さらに指揮官には“星の強さ”があるといい「野球のことに関してしっかりやっている人。そこにも期待して1位」と言う。

2位は阪神。「総合力が高いチームであるのは間違いない。本当は優勝かなと思いましたけど」。昨季当初から懸念していた“中継ぎのコマ不足”を不安要素に挙げる。岩崎に負担がかかっていた台所事情に加え「守護神のスアレスがいなくなって大丈夫かという面もあります。後ろ(勝利の方程式)が完全に決まってないというところで2位」と分析した。

滑り込みAクラスは、昨季日本一のヤクルト。「打線に関しては、若手、中堅、ベテランがミックスされて怪我人も少ない。外国人もそつない働き」と太鼓判を押す。高卒3年目の奥川の起用法にも注目し「中6日など普通に回ったら相当勝つと思います」。その他の先発陣では開幕投手の小川、ベテランの石川、高橋ら名前は挙がるが「それにしても数が足りないかな」と見通した。

中日で活躍した山本昌氏【写真:荒川祐史】

巨人は4位、昨季11勝高橋&9勝戸郷は「信頼されていない降板の仕方が…」

巨人はBクラスの4位と予想。「もちろん強いチームでありますよ」と言うように、坂本、丸、岡本和を中心とした打線は強固。その一方で投手陣は「菅野くんにかかる負担が大きいかな」と見る。昨季11勝の高橋や9勝の戸郷も「まだベンチから信頼されていない降板の仕方が多い」と指摘。中継ぎ、抑えも明確に固められていない現状にも触れた。

5位にした広島で注目するのは、やはり鈴木誠の穴をどう埋めるか。山本氏は、“カープの過去”にも目を向ける。江藤智、金本知憲、新井貴浩らの名前を挙げ「FAで主力が出て行っても、カバーする選手が必ず出てくる伝統のあるチーム」と言う。確かに小園や坂倉、林ら生きのいい若手が台頭し始めているのは確か。「ただ、まだ計算が立っているとは言えないので、一応5位に」と予想した。

DeNAは最下位予想だが「打線はNo.1」。上位浮上のカギとなるのは、やはり投手陣。「今永くん、浜口くん、東くんが揃ったことがない」と、代わる代わる離脱する先発左腕たちの状況を懸念する。加えて、リリーフも完全に固まっているとは言えない状況。「だからこそ、ピッチャーが頑張ったら、横浜スタジアムであの打線は怖いですよ」と語った。最後に「本当はどこも上位にしたい」と強調した山本氏。「(予想が)当たる人なんていないよ」と苦笑した。

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(小西亮 / Ryo Konishi)

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