第40回「いつだってブルース①」

MZA有明のB.B.キング&アルバート・キングのライブに出向く。 1989年だったかな、ちょうど一緒にレコーディングしている花田裕之を誘って意気揚々と濃緑色のW113・縦目の250SLを晴海通りに走らせる。

「花田、レイニーのアンプを買ったよ、すごくいい」と話しかけると、寡黙な花田から「PANTA、レイニーはメタルのアンプだよ」とちょっと冷笑まじりのつれない返事が返ってきた。 「えっ、ガツンと強いアタックでものすごく気持ちよかったんだけど…」 確かにつまみの類はたくさんあり、音の作り方が難しそうだが、メタルのアンプとは知らなかった。

その後、ライブであまり使うことなく今は行方不明になってしまったレイニー。もう少し登場させてあげればよかったかな。

そんな花田がレスポールジュニアを愛用してアルバム『P.I.S.S.』をレコーディングしていて、すごく良い感じだったので、神田商会で翌年の再結成頭脳警察用のギターを製作してもらうときに、レスポールジュニアを意識したシングルコイルのピックアップを装備、マーブルグレイというポルシェカラーのギターで登場することになる。

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