ウクライナ国境近くの町で起きた60年前の虐殺 ソ連政権幹部の威圧的な姿 「親愛なる同志たちへ」本編映像

4月8日より劇場公開される、第77回ヴェネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞した、アンドレイ・コンチャロフスキー監督作「親愛なる同志たちへ」から、本編映像が公開された。

公開された本編映像は、スト鎮静化のためウクライナ国境近くの町ノボチェルカッスクに派遣されたソビエト連邦の政権幹部と、多くの軍の幹部や市政委員による会合の様子。ストへの対応について協議するなかで、熱心な共産党員であるリューダが、全員の逮捕を主張する姿が捉えられている。また、政権幹部はソ連軍の大佐に「何かあった場合は発砲」するように命じる。「軍による市民への発砲は憲法違反です」と反論する大佐だったが、政権幹部は命令に従うよう威圧的な姿を見せる。

「親愛なる同志たちへ」は、スターリン後の社会に希望を見い出していた女性が、残酷な事実を知る物語の作品。1962年6月1日、ソ連南部ノボチェルカッスクの機関車工場で、物価の高騰や給与カットに抗議するストライキが勃発。政権は、約5000人の市民への銃撃を開始する。熱心な共産党員で市政委員も務めるリューダは、18歳の愛娘スヴェッカを探し、パニックが起こった広場を駆けずり回る。必死の捜索の果てにリューダは、ある真実にたどり着く。監督は、「暴走機関車」「映写技師は見ていた」などで知られるアンドレイ・コンチャロフスキーが務めている。

【作品情報】
親愛なる同志たちへ
2022年4月8日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館 ほか全国公開
配給:アルバトロス・フィルム
© Produced by Production Center of Andrei Konchalovsky and Andrei Konchalovsky Foundation for support of cinema, scenic and visual arts commissioned by VGTRK, 2020

© 合同会社シングルライン