医師が大量退職意向の大津市民病院 パワハラ訴えられた理事長が辞任へ

記者会見で北脇理事長の辞任について説明する佐藤市長(24日午前、大津市役所)

 地方独立行政法人・市立大津市民病院(大津市本宮2丁目)の三つの診療科で多くの医師が退職意向を示している問題を巡り、佐藤健司市長は24日、同病院の北脇城理事長が「大きな混乱を招いた責任は大きい」として31日付で辞任すると記者会見で明らかにした。後任の人選を進めており、4月1日以降は当面、理事長職は空席となる見通し。

 佐藤市長の説明では、北脇理事長が20日、市長に辞表を提出。すでに受理されているという。

 会見で佐藤市長は「市民や患者、地域で連携する医療機関にご心配をおかけしていることに対して病院の設置者として誠に遺憾であり、おわび申し上げたい」と謝罪し、「(北脇理事長を)任命した責任は免れないものと思っている」と述べた。

 また、4月中旬に県内の病院に勤務している医師1人を確保できる見通しであることを明らかにした。現在、どの診療科に所属するかは未定。北脇理事長らから退職を強要されるパワーハラスメントを受けたと主張し、5人の医師が退職の意向を示している脳神経外科については、全員が夏ごろまでに大津赤十字病院(長等1丁目)に移り、診療を継続するという。

 大津市民病院では、脳神経外科のほか、9人が退職意向の外科・消化器外科・乳腺外科も北脇理事長らからパワハラがあったと訴えており、第三者委員会が検証を進めている。これまでに京都大側から派遣されている両診療科と泌尿器科の医師計19人が退職意向であることが明らかになっている。

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