伊勢原の「大山バイパス」全線開通 工事着手から30年余り 神奈川県、観光振興に期待

大山バイパスの全線開通を記念し、オカメザクラの苗木を植える伊勢原市の髙山市長(右から2人目)ら=同市三ノ宮

 伊勢原市内で整備が進められてきた県道611号「大山バイパス」(全長約3キロメートル)が20日、全線開通した。工事着手から30年余り、新東名高速道路伊勢原大山インターチェンジ(IC)から程近く、神奈川県が「新たな観光の核」とする大山へのアクセス向上や観光振興などに期待がかかる。

 今回開通したのは同市子易-同市三ノ宮の約1.4キロメートル。同所に交差点を新設して県道612号と接続した。同ICとのアクセスが向上するほか、交通量の転換により路線バスの定時性確保や地域住民の生活環境改善につながるとされる。

 20日は県や市の関係者ら約10人が出席し、記念植樹式が行われた。小板橋聡士副知事は「行楽シーズンに発生していた渋滞が解消される。大山での新たな観光の核づくりを進めたい」と期待。髙山松太郎市長は「開通は30年来の悲願。現在路線バスが走る道路は狭くて歩道もなく、危険だった。地域の皆さんと観光客をおもてなしできるよう努力していく」と話した。

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