「誠也の穴は埋まらない」広島が最下位、巨人は2位…五十嵐亮太氏がセ順位予想

広島からカブスに移籍した鈴木誠也【写真:荒川祐史】

五十嵐亮太氏が予想、燕投手陣では「大下の働きに注目したい」

2年連続最下位だったヤクルトが6年ぶりのリーグ優勝、20年ぶりの日本一を果たした昨季のセ・リーグ。中日が立浪和義新監督を迎え、広島の主砲・鈴木誠也外野手がメジャーへ移籍するなどした今季は、どんな戦いになるのか。現役時代は救援投手としてヤクルト、ソフトバンク、メジャーで通算906試合に登板した五十嵐亮太氏が、セ・リーグの順位を予想した。

【順位一覧】ヤクルトの連覇に「期待」 五十嵐亮太氏が予想したセ・リーグ順位

五十嵐氏が1位に推したのは、古巣ヤクルトだ。奥川恭伸や高橋奎二ら若手の成長著しい先発陣が「昨季よりも計算できる」と指摘。今季から延長12回となる中、中継ぎ陣への負担が懸念されるが、そこでカギを握るのが5年目右腕だという。「大下(佑馬)の調子がいい。大下が今年フル回転で頑張れば、中継ぎ陣はなんとか持つはず。色々な場面で投げられるタフさがある。大西(広樹)もいい。今年は延長戦もあることと、先発が崩れたとしても、この2人の頑張り次第では安定した試合ができる。特に大下の働きに注目したいですね」。

打撃では「1番と5番に注目していきたい」と話す。昨季ブレークした1番・塩見泰隆はオープン戦も打率.406と好調だった。4番・村上宗隆の後を打つ5番はサンタナが有力だが、「4番が孤立してしまうと駄目。村上と勝負しなければならない状況を作れるかが大事。4番と5番がセットで機能するかどうかがポイントですね」と見る。

2位には巨人。昨季はエースの働きができず、歯がゆい年を送った菅野智之の復活を予想する。さらに、ドラ1入団→右肘手術で育成契約→支配下復帰と激動のプロ生活を経験した高卒3年目の堀田賢慎を高く評価。「素材は一級品。制球は全体に高いけれど、球の強さで抑えられる能力がある。体の使い方が上手いし、10勝してもおかしくない投手だと思う」と高く評価する。打線では貫禄を増しつつある岡本和真に期待。「チームが苦しい時にどういう働きをするか。本塁打王争いは村上と岡本の“2強”でしょう」と太鼓判を押す。

ヤクルト・ソフトバンクで活躍した五十嵐亮太氏【写真:荒川祐史】

最下位予想は広島「鈴木誠也の穴は絶対に埋められない」

3位に挙げたのは昨季最下位に追ったDeNAだ。「打線がいいので投手陣が整えば、若いチームで勢いもあるので一気に上に行くこともある。これは僕の勘に近い」と話す。昨季の苦戦は「外国人選手の合流が遅れたのが痛かった」と指摘。就任2年目の三浦大輔監督についても「ヤクルトの高津(臣吾)監督は就任1年目に最下位でしたが2年目で優勝。同じように三浦監督も2年目に采配を含めたアジャストをしてくる可能性がある」と予想する。

矢野燿大監督の勇退が決まっている阪神は4位と予想。「打ち方をコンパクトにして率が残る感じになった佐藤輝明が4番としてどういう方向へ行くのか」に注目する。キャンプ初日に今季限りでの勇退を発表した矢野監督について「新しい」と話すと同時に「勝手な見解ですけど」と続ける。「選手としてはシーズン中の戸惑いがなくなる。人気球団だし、シーズン終盤に監督の去就が話題になる。辞めると分かってシーズンに入った方が選手は野球に専念しやすい。そういう環境を整えたんじゃないかと思います」。

5位には立浪監督を迎えた中日。高卒3年目の石川昂弥を三塁で起用する他、「根尾(昂)が外野手登録されたり、3年目の岡林(勇希)が出てきたり、追っていると面白いことはたくさんありそう」と語る。「昨年、ヤクルトが優勝すると予想した人はほとんどいないわけですし」とダークホースになる可能性も指摘する。

再建期とも言える広島は苦しいシーズンを送ると予想。「投手は揃っているけれど、鈴木誠也の穴は絶対に埋められない。4番をどうするか。どういったスタイルで攻撃面を整えるか。今まで通りにはいかないと思います」と辛口だ。

五十嵐氏の予想通り、ヤクルトがリーグ連覇を果たせば、野村克也監督が率いた1992、93年以来となる。「ちょうど30年。そろそろ来ますよ。しかも高津監督は野村さんの教え子ですから。連覇は難しいことですが期待したくなりますよね」。ヤクルト黄金期の再来なるか、注目される。

【順位一覧】ヤクルトの連覇に「期待」 五十嵐亮太氏が予想したセ・リーグ順位

【順位一覧】ヤクルトの連覇に「期待」 五十嵐亮太氏が予想したセ・リーグ順位 signature

(佐藤直子 / Naoko Sato)

© 株式会社Creative2