3台体制で復帰のハルダー兄妹、最後の1台にJAS開発生のジャック・ヤングを起用/TCRヨーロッパ

 2年ぶりにTCRヨーロッパ・シリーズに復帰し、3台体制を敷くことをアナウンスしたハルダー・モータースポーツは、ともにTCRシリーズでの優勝経験を持つ兄のマイクと妹ミシェルのハルダー兄妹に加え、最後の1台となるレースシートにジャック・ヤングの起用を発表。ヤングは今季も引き続き、ホンダの開発部隊であるJASモータースポーツによるドライバー開発プログラムの継続も決まっている。

 北アイルランド出身で現在20歳のヤングは、ティーンエイジャーの頃からTCRシリーズに積極的に参戦し、スイスのヴコビッチ・モータースポーツが開発したルノー・メガーヌR.S.TCRの開発などに従事してきた。

 そして2021年に抜擢されたJASのプログラムによりブルータル・フィッシュ・レーシングからTCRヨーロッパにエントリーすると、ザントフォールト、ニュルブルクリンク、モンツァで表彰台を獲得。ドライバーズランキング10位に喰い込む活躍を演じた。

「昨年、JASの開発ドライバーに就任できたことは僕にとって大きなメリットだった。だからこそ、学んだことを今季も引き続き実践し、チームの専門家と一緒に学び、発展し続けることができるのは素晴らしいことだ」と語ったヤング。

「昨年僕が得た最大の成果は、レースディスタンス全体で落ち着きを保つことと、全体的なフィットネスだった。これは、天候が非常に暑い週末を過ごしたときに大きな助けになったよ」と続けるヤング。

「JAS開発プログラムにおける設備の雰囲気は素晴らしく、ジムで腕立て伏せをするときでも『誰もが最高になりたい』と思っていたから、友好的なライバル関係が確かに存在した。でも、それは健全な競争だよね」

「2022年にできる限り最善を尽くすようプッシュするとき、これはすべて役に立つはずさ。今季も非常にエキサイティングなレースプログラムが実現することをうれしく思う。僕個人の成長にとって重要な年であり、多くの高低があるだろうけど、新しいシーズンに向け本当に気分が高まっているよ」

■2022年は「もっと挑戦的な年になると思う」とヤング

ホンダの開発部隊であるJAS Motorsportによるドライバー開発プログラムに抜擢されているジャック・ヤング
2021年はBrutal Fish RacingからTCRヨーロッパにエントリーし、ランキング10位に入った

 2年目のプログラム継続に向け、そう意気込みを語っていたヤングだが、2022年はブルータル・フィッシュ・レーシングを離れ、シリーズ復帰参戦を果たす“シビック使い”の兄妹とラインアップを構成することになった。

「新しいチームメイトであるマイクとミシェルのハルダー兄妹と、こうして一緒に仕事ができることに興奮している。ともに働き、自分自身とお互いを比較してクルマを最大限に活用することが可能になるからね。そうした優れたドライバーがいることは素晴らしいことさ」と、改めて意気込みを語ったヤング。

「今季はもっと挑戦的な年になると思うし、それは僕自身が本当に望んでいることだ。昨年はペースが良かったことを示せたが、今年は一貫性を高めてより良い結果を出すことを目指している。願わくばチャンピオンシップに挑戦できるようになることを期待している」

 また、ヤングと同じくJASモータースポーツのドライバー開発プログラムには、昨年TCRイタリアで表彰台を獲得したマティアス・バーテルの継続と、ルーベン・ボルトとマルコ・イアンノッタの新規加入がアナウンスされており、イアンノッタはすでにTCRイタリアにMMモータースポーツからのエントリーが確定している。

「JASドライバー開発プログラムに参加できてとてもうれしい。国際的なモータースポーツで大きな成功を収めたJASのような組織で、ドライバーとして初期の経験が積めるのは、非常にエキサイティングだ」と語ったイアンノッタ。

「僕はすでに24歳で、その他の生徒たちより少し年上だけれど、カートを卒業して以来、4輪でフルシーズンを過ごしたことがないから、僕ら全員が非常に似たレベルの経験を持っていると思う」

「JASのチームは共有すべき経験が豊富だし、僕自身、この年末までにコース上で大幅に改善されたドライバーになると確信している。今すぐに始めて、できるだけ多くのことを学ぶのが待ち切れない気分だ!」

兄のマイクと妹ミシェルのハルダー兄妹も、ひさびさのTCRヨーロッパ復帰を果たす
シリーズ復帰参戦を果たす”シビック使い”の兄妹とラインアップを構成することになった

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