イートンがMLocker®差動装置の生産50周年を迎える

米ミシガン州サウスフィールド--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ)-- パワー・マネジメント企業のイートンは本日、当社の車両グループがMLocker®差動装置の生産開始から50周年を迎えることを発表しました。機械式ロック差動装置は、プッシュボタンやシフトノブなどのドライバーの操作なしで、ドライバーにクラス最高のトラクションを提供し、内燃機関と電動車両(EV)の両方に適用されます。

イートン車両グループのePowertrain事業部ディレクターであるマーク・クレイマーは、次のように述べています。「MLocker差動装置は、好評を博した先代のPosi差動装置の成功の上に成り立っており、私たちはこの重要な節目を迎えることができたことをうれしく思います。MLocker差動装置は、その独自の設計と実証済みの品質により、世界のフルサイズピックアップ車やスポーツ用多目的車、さらにはアジア太平洋地域で最近発売された都市向け電動トラックにも採用されるようになりました。」

オリジナル機器の革新を推進

MLocker差動装置は、自己完結型の自動エンゲージ機構により、低トラクション時に1分間当たりの回転数(RPM)が100以上の車輪速の差(他の後輪との比較)を検出するとエンゲージされる仕組みになっています。自動ロックにかかる時間は1秒にも満たないため、濡れた路面や凍結した路面、砂利道、泥道、未舗装路においても、トラクションが向上し、ドライバーに安全性と信頼性の向上をもたらします。MLocker差動装置は、既存のアンチロック・ブレーキシステムや車両安定性システムとの適合性があり、OEMインテグレーションを簡素化することができます。

通常の走行状況において、MLocker差動装置はライトバイアスのリミテッドスリップ差動装置として機能します。トラクションが低下して車輪速の差が生じると、フライウェイト機構が開いてラッチブラケットに噛み合い、両軸が同じ速度で回転する(フルロック)まで自己作動型クラッチシステムが作動し、それ以上車輪が滑らないようにします。ロック解除は自動的に行われ、差動装置は通常の動作を再開します。

MLocker差動装置は、長い生産期間にわたって改良が加えられてはいるものの、基本的な設計やコンセプトに変わりはありません。

40年以上にわたってMLocker差動装置の設計と発展に携わってきたエンジニアリングスペシャリストのKeith E. Morgensaiは、次のように述べています。「機能的には同じデザインですが、私たちは長年にわたって多くの改良を加えてきました。業界のニーズに応えるべく常に改良を続けてきましたが、最初のコンセプトは時の試練を乗り越えてきました。」

「一見シンプルなデザインですが、開発には非常に多くの技術が費やされているのです。」(Morgensai)

MLocker差動装置を発売して以来、イートンの車両グループは、すべてのユーザープロファイルに対応するソリューションを提供する差動装置のポートフォリオを追加し続けています。

現在、イートンの差動装置の完全なラインアップは、下記の通りです。

  • Detroit Locker®差動装置 – 軽度から極度までの車両用途で究極のトラクションを提供する完全自動ロック式差動装置です。片方の車輪が地面から浮いたとしても、両輪をドライブモードに保つよう、独自に設計されています。
  • Detroit Truetrac®差動装置 – ホイールトラクションを最大化し、ドライビングとハンドリングの特性を向上させるヘリカルギアのパフォーマンスリミテッドスリップ差動装置です。
  • ELocker®差動装置 – 高度な設計を施したユニットとして、ドライブラインの柔軟性を最大限に高めます。ユーザーは、ボタンに触れるだけで車軸をフルオープンからフルロックに切り替えることができます。鍛造ケースと4つのピニオンギアによって強度と性能が向上しています。
  • InfiniTrac™差動装置 – 電子制御のリミテッドスリップ差動装置で、あらゆる速度やトラクションの条件において最適な車両性能を提供します。
  • Posi®差動装置 – 発進前に自動的に車輪のスリップを防止するリミテッドスリップ差動装置です。ほとんどの車軸設計に容易に組み込むことができ、アプリケーションの要件に合わせて調整可能です。

なお、イートンは先日、当社のトルク制御システム事業が、従来の内燃エンジン車用の差動装置と同等の性能を持つ電気自動車専用差動装置の幅広いラインアップを投入したことも発表しています。

乗用車市場はますます電気自動車に移行しており、イートンは電気自動車メーカーが必要とするソリューションを提供するための専門知識と経験を持っています。

イートンのトラクション・コントロール(Traction Control)ファミリーの差動装置は、雪道や泥道のような悪条件下でも優れたトラクションを提供し、牽引時の安定性も改善されます。グローバルなサプライヤーとして、イートンは車両の動向と安全基準に関して幅広い知識を持ち、世界の自動車メーカーと協力して電気自動車を含む新しい車台に差動装置を組み込んできた数十年にわたる経験を誇ります。この技術は、イートンが2030年サステナビリティー目標の達成に向けてどのように前進しているかを示す一例です。イートンは2030 年までに、同社のソリューションやバリューチェーン全体からの排出量を15%削減することを目標としています。

「業界をリードする差動装置を製造してきた長年の経験により、お客さまのあらゆるニーズに対応する差動装置ソリューションを提供することができます。MLocker差動装置の成功は、差動装置のグローバルサプライヤーになるための旅の始まりに過ぎません。」(クレイマー)

イートンの差動装置の全ラインに関する詳細については、リンク先をご覧ください。

イートンは、あらゆる場所の人々の生活の質を向上させ、環境を保護することに専心するインテリジェント・パワー・マネジメント企業です。当社を導いているのは、適切にビジネスを行い、持続可能な事業運営に当たり、お客さまが今日および将来もずっとパワーを管理できるよう支えるとの約束です。電化およびデジタル化という世界的な成長トレンドを生かしながら、社会全体の再生可能エネルギーへの移行を加速させ、世界で最も喫緊のパワー・マネジメントの課題の解決を支援し、当社のステークホルダーと社会全体にとって最善のことを行っています。

イートンは1911年に設立され、1世紀近くにわたってNYSEに上場しています。2021年には196億ドルの売上高を計上し、170カ国以上のお客さまにサービスを提供しています。詳細情報については、www.eaton.comをご覧ください。ツイッターリンクトインで当社をフォローしてください。

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