陸自工科学校卒のサイバー人材 防衛省、米国国防大学へ留学派遣も

 陸上自衛隊高等工科学校(神奈川県横須賀市)のサイバーセキュリティー教育を巡る議論が25日の衆院安全保障委員会であり、防衛省は卒業生への関連教育を入隊後も継続し、米国国防大学などへの留学派遣も行う方針を明らかにした。立憲民主党の伊藤俊輔氏へ川崎方啓人事教育局長、土本英樹整備計画局長が答弁した。

 高等工科学校は1955年設立の少年工科学校を前身とする防衛相直轄の自衛官養成機関。これまでの専修コース「教養」「理数」「国際」に加え、サイバーセキュリティーを担う人材育成のため「システム・サイバー」を新設。同専修からは本年度、初の卒業生約30人を出した。

 伊藤氏は「サイバーテロなどへの対応を担う貴重な人材。入隊後も新たな知識や技術を学ぶ機会が必要だ」と提案。同省は「サイバー部門へ配属される卒業生は陸上自衛隊通信学校で5カ月、専門知識を学ぶ。入隊後も同校などで随時研修を積む」とした上で「実務を通じ知見を高めた卒業生は米国国防大学や情報セキュリティ大学院大学(横浜市)などへ留学させ、さらに高度な専門担当への道を開く」と答弁した。

 関連して社会民主党の新垣邦男氏は「理系人材を広く育成していく視点からも、同校の男女共学に踏み切るべきではないか」と提案。同省は「要望の有無などを踏まえた総合的な検討が必要」と述べるにとどめた。

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