近畿大学、AR機能搭載「ワンダーマスク」の実証実験を3/27「MIDORIコレクション」で実施

近畿大学経営学部商学科廣田章光ゼミでは、2022年3月27日(日)14時より、うめきた外庭SQUAREで開催されるイベント「MIDORIコレクション」において、2021年に開発したAR(拡張現実)機能搭載マスクの商用化に向けた実証実験を実施する。このマスクを着用してスマートフォンの専用アプリで撮影すると、ARの加工によって、大阪梅田のビル群を背景に非日常空間にいるような写真を撮影することができる。

廣田ゼミ(専攻:マーケティング戦略論)では、「デザイン思考※」 について研究しており、日常生活における観察調査をもとに、コロナ禍において「着けなければならないマスク」を「思わず着けたくなるマスク」に転換することをめざし、2021年にAR機能を搭載した「ワンダーマスク」を開発した。

「ワンダーマスク」は、図柄がARマーカーとなっており、着用した人を専用アプリで撮影すると、GPSによって認識した位置情報をもとにARコンテンツが表示され、エフェクトのかかった写真や動画を撮影できる。

これまで、屋外商業施設、観光地での商業利用に向けてテストを繰り返してきたが、今回、ヤフー株式会社が運営するオープンコラボレーションハブ「LODGE」と、うめきた外庭SQUARE運営協議会の協力を得て、商用化に向けた実証実験を実施することになった。

マスクをニューノーマル社会におけるファッションアイテムと捉え、エシカル、インクルーシブをテーマにした屋外ファッションショー「MIDORIコレクション」と連携して、マスクをお披露目する。「ワンダーマスク」を開発した学生がモデルとして参加し、その後、イベント参加者に「ワンダーマスク」を体験してもらい、使用感についてインタビューするなど、ワンダーマスクによる行動変容効果と用途可能性について調査を行う。

ワンダーマスクの企画案は、「LODGE」が2020年12月に開催した、「これからのマスクを考えるアイデアコンペティション」で最優秀賞を獲得。その後、「LODGE」から実現に向けたサポートを得て、開発が加速。試作品の開発にあたっては、AR製品の開発実績がある株式会社アーティフィス、マスク製造事業を展開する小川良株式会社の協力を得た。

なお、本件は、近畿大学が全学を挙げて取り組んでいる「"オール近大"新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト」の一環として実施している。

※デザイン思考とは、現場での人間観察から問題点を発見し、解決アイデアを素早く試作して実験と修正を繰り返すことでアイデアや手法の利用につなげるという思考法。日本でもグローバル企業を中心に活用が進んでいる。

参考:【近畿大学】AR機能を搭載した「ワンダーマスク」の商用化実証実験を実施 「着けなければならないマスク」を「思わず着けたくなるマスク」に

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