オリ山岡、ロッテ種市、西武若林… 故障を経て今季完全復活を目指すパの6選手

日本ハム・石川直也(左)と西武・若林楽人【写真:荒川祐史】

日ハム石川直也はこの2年間1軍登板機会がない

プロ野球は25日に開幕し、早くも熱い戦いが繰り広げられいる。シーズンが進むにつれて懸念されるのが、主力の故障離脱。チームにとって大きな誤算となるが、逆に言えば、離脱した選手が万全の状態で復帰すれば大きなプラス要素になる。今回は、パ・リーグ各球団で故障からの復帰が見込まれる選手を1人ずつピックアップする。

・石川直也投手(日本ハム)

石川直は山形中央高から2014年ドラフト4位で入団し、17年に中継ぎとして台頭した。18年は18ホールド、19セーブ、防御率2.59と活躍。19年は自己最多の60試合登板で21ホールド、5セーブを挙げ、奪三振率12.42と抜群の数字を記録したが、20年に右肘のトミー・ジョン手術を受けた。その影響で直近2年間は1軍登板がない。昨年10月のみやざきフェニックス・リーグで久々の実戦復帰を果たすと、3月23日のイースタン・リーグ公式戦では、復帰後初セーブをマークした。守護神の経験がある右腕が復活を果たせば、チームにとって大きなプラス要素となる。

・辛島航投手(楽天)

辛島は福岡・飯塚高から2008年ドラフト6位で楽天に入団。12年から19年まで8年連続で10試合以上に先発登板した。特に19年には自己最多の9勝を挙げる活躍だったが、20年は防御率4.93で1勝どまり。昨年は故障の影響もあり、1軍登板機会がなかった。昨季はルーキーの早川隆久投手が9勝を挙げたが、それ以外の先発陣は大半が右投手。辛島が復帰を果たせば左の先発候補となるだけに、復活に期待したいところだ。

・若林楽人外野手(西武)

若林は駒大から2020年ドラフト4位で西武に入団。プロ1年目の昨年は開幕直後からレギュラーをつかみ、4月上旬から1番打者に定着した。特筆すべきはその脚力。44試合で20盗塁と圧倒的ペースで盗塁を量産。パ・リーグ初の「新人での盗塁王」も現実味を帯びていた。しかし、5月30日に左膝の前十字靭帯を負傷して手術を受けた影響で、残りのシーズンは全休に。盗塁王を獲得した4選手の盗塁数が24だっただけに、怪我がなければタイトル獲得の可能性は高かった。今春キャンプはB班スタートで、2月20日の阪神2軍との練習試合で実戦復帰。完全復活への道筋は見えつつある。

ロッテ・種市篤暉【写真:荒川祐史】

ロッテ種市篤暉は2020年にトミー・ジョン手術を受けた

・種市篤暉投手(ロッテ)

種市は八戸工大一高から2016年ドラフト6位でロッテに入団。18年に1軍デビューを果たしたが0勝4敗、防御率は6.10に終わった。19年はシーズン途中から先発ローテに定着して8勝、奪三振率10.41という数字を記録した。20年も開幕から先発ローテに加わり、7月25日にはプロ初完封を達成するなど本格ブレークの兆しを見せていたが、8月に右肘を痛めてトミー・ジョン手術を受けた。1年以上に及んだリハビリを乗り越え、今年のキャンプではB班でブルペン入り。現在は実戦復帰に向けて、着実に調整を進めている最中だ。

・山岡泰輔投手(オリックス)

山岡は東京ガスから2016年ドラフト1位でオリックスに入団。ルーキーイヤーの17年から先発ローテーションに定着。19年には13勝4敗で自身初タイトルの最高勝率賞を獲得するなど主力投手としての地位を固めつつあった。20年は12試合で防御率2点台と投球内容は安定していたが、序盤でわき腹を痛めて長期離脱を強いられた。昨年も右肘を痛めて長期離脱。SMBC日本シリーズ第5戦で約5か月ぶりに登板し、勝利投手となった。山岡が山本由伸投手に次ぐ右の先発として復活を果たせば、投手王国と呼べるだけの先発陣の形成も現実味を帯びてくる。

・ジュリスベル・グラシアル内野手(ソフトバンク)

キューバ出身のグラシアルは2018年にソフトバンク入団。19年はキューバ代表への合流もあって規定打席には達しなかったが、28本塁打を記録。日本シリーズではMVPに輝いた。20年は故障もあり前年より成績を落としたが、主軸打者としてリーグ優勝と日本一に貢献した。21年は開幕から好調を維持していたが、5月に右手指を骨折して残りのシーズンを棒に振った。今季は2月上旬にキャンプに合流し、オープン戦は14試合で打率.353の成績を残している。(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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