強風吹き荒れ被害続出、複数のけが人情報も、上越地域

 発達した低気圧が日本海を東北東に進んだ影響で、県内は26日、上越地域を中心に昼すぎから非常に強い風に見舞われた。上越市では鉄道、電力、建物などに影響、被害が出た。

 低気圧に暖かい空気が流れ込んだため、上越地域では最高気温が4月中旬から5月下旬並みに上昇。一方で昼すぎから南風が一気に強まった。同日午後4時時点の最大瞬間風速は上越市高田で29・6メートル、同市大潟で24・1メートル、糸魚川市糸魚川で27・3メートル(3月の観測史上最大)など、各地で強風が吹き荒れた。

 この影響により各地で被害が発生。東北電力ネットワークによると、同日午後1時15分時点で上越市の約1400戸、妙高市の約200戸が停電。同7時時点で牧区などで約80戸が停電中。

上越市春日山町3では飛ばされた屋根が電線に絡まり停電(26日午後1時50分ごろ)
強風のごう音の中、交差点にせり出してしまったパイプハウスを片付けようとする人たち。通行車両は徐行して慎重に進んでいた(26日午後3時30分ごろ、上越市青木)

 上越市春日山町3では午後1時10分ごろ、住宅の屋根が強風で飛ばされ、電線に引っ掛かり、周辺が停電。また同2時15分ごろ、同市東本町2の店舗の屋根が飛ばされ、破片が県道上越安塚柏崎線まで飛散したため、警察官が交通整理に当たった。同3時30分ごろには、同市青木で風に飛ばされたパイプハウスが道路をふさいだ。上越地域消防局によると、同5時時点で管内では強風による複数のけが人がいるという。

 北陸新幹線は午後0時40分ごろ、飯山―妙高高原駅間の風速計が規制値に達したため、長野―富山駅間で運転を見合わせ。上下線計13本が運休し、4本に最大4時間40分の遅れが出た。えちごトキめき鉄道も同5時50分時点で妙高はねうまライン、日本海ひすいラインで計27本が運休。JR大糸線も上下線計20本が運休した。

 新潟地方気象台によると、県内では27日明け方まで強風に注意を促し、また高波や融雪による土砂災害、雪崩にも注意を呼び掛けている。

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