選挙の「公認・推薦・支持」の違いとはなんだろう?〜本当にすぐわかる政治用語〜

政治にちょっと関心があるけど、ちゃんと調べるほどには興味ない!

そんなあなたに選挙ドットコム素人代表ひがしが政治や選挙にまつわる専門用語を簡単解説するコーナー、第7回は「公認・推薦・支持」の違いです。

選挙に出る時に候補者が政党・政治団体から得られる公認・推薦・支持の違いとはどのようなものなのでしょうか?

ずばり、公認とはなんだろう?

公認とは、ある人を政党・政治団体の候補者とすることです。総務省に認められた政治団体の党員であることが求められます。

「公認候補」になるには、候補者が政党・政治団体に自身を公認することを求め、その政党・政治団体が発行する「所属党派証明書」を立候補の際に添えて選挙管理委員会に申し出ることが必要です。

公認候補となると、例えば「立憲民主党・蓮舫」のように、報道でもその政党の名前がついて回ります。

公認候補というのはとても強い立場で、自身を公認した政党・政治団体からの支援をたくさん受けることができます。

支援内容としては、活動資金や同じ政党・政治団体所属の議員の応援、選挙活動の人員サポート等が挙げられます。

「公認争い」という言葉があります。定数1の選挙区で2人の自民党の人が「公認してほしい!」と言っているときなどは、自民党が公認する人は通常1人です。そこで争いが起きるのです。

公認争いで負けてしまったもう1人の人は立候補そのものを諦めるか、無所属として立候補するか、他党からの立候補を目指すことになります。

ずばり、推薦とはなんだろう?

推薦とは、公認まではできなくても、理念や政策が近いといった理由で政党・政治団体が候補者を支援することを示す手段です。

推薦には選挙管理委員会の申し出は必要ありません。

例えば、自民党と公明党はお互いの候補者に「公認」をすることはできませんが、「推薦」であればすることができます。

党本部の公認には至らなかったけれど、都道府県連では応援するぞ!という場合にも「推薦」が使われることがあります。

ただし、後述のとおり、マスコミ各社では都道府県連単位での推薦は報道しないことが多いようです。

推薦をした陣営には、政党・政治団体はスタッフを送り込んだり選挙活動の手助けをしたりします。

ずばり、支持とはなんだろう?

支持とは、推薦より更に弱い応援の仕方です。

マスコミ各社にもよりますが、多くの社は候補者の略歴や立候補の届け出一覧では、原則、政党本部による「公認・推薦・支持」までは表記し、政党本部以外の推薦は表記しません。

2022年3月に実施された石川県知事選挙では、ともに自民党の国会議員であった馳浩氏と山田修路氏を、自民党石川県連はともに「支持」しました。

また、支持よりも弱い応援のかたちに「支援」というものもあります。

「支援」は党本部からのものであっても報道されないことが多いようです。

まとめ:公認>推薦>支持>支援

一般的に政党は、候補者との関わりが強い順に「公認」>「推薦」>「支持」>「支援」との立場をとる場合が多いようです。

  • 公認には申し出が必要
  • 推薦、支持、支援には申し出は不要
  • 他政党の候補者であっても推薦、支持、支援はできる
  • 公認、推薦、支持(党本部以外の団体を除く)は報道されることが多い

参院選に向けての「公認争い」や「相互推薦」が行われるかも注目してみると、政局が面白く見えてくるかもしれません。

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