復帰式典「祝う現状ではない」 琉球先住民族まぶいぐみぬ会が反対意見書

 日本復帰50年に合わせて政府と沖縄県が共催する復帰記念式典を巡り、県内在住の女性たちでつくる「琉球先住民族まぶいぐみぬ会」は25日、県庁で会見を開き、県や県議会に対し、式典に反対する意見書を提出したと発表した。「いまだに琉球・沖縄人の命と誇りと尊厳がないがしろにされ、軍事植民地が継続している。今日の沖縄は『復帰』を祝う現状ではない」として、記念事業や式典費用の予算は、子どもの貧困やコロナ経済対策支援金などに回すべきだと指摘した。

 意見書では「『復帰』すれば人権蹂躙(じゅうりん)から脱却して基本的人権の保障、戦争を放棄した平和主義の日本国憲法が適用されると信じた。しかし、沖縄では日米安保が憲法より最優先された50年だった」と指摘。米軍専用施設が集中し「安全な暮らしが日々脅かされ生命の危機さえ迫る」として、県は政府に対し「人権保障のあり方を提言すべきだ」と求めた。

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