悪天候続きのポニー全日本選抜は決勝開催せず 日本一決定より選手の“経験”を優先

悪天候続きのポニー全日本選抜は決勝を開催しないことが決まった【写真:川村虎大】

降雨で試合順延・中止が続出、順位づけより多くの経験を重視

日本ポニーベースボール協会は27日、翌日に予定されていた「日本旅行カップ 第6回全日本選抜中学硬式野球大会」の決勝戦を行わないと発表した。悪天候により試合中止が続出。日本一を決めることよりも、参加全23チームに少なくとも2試合を経験させることを優先した。

同大会は26日に沖縄・コザしんきんスタジアムなど5会場で開幕。初日に敗れたチームは2日目から交流トーナメントに参加し、2試合以上を経験できる配慮がなされていた。しかし、初日から継続試合も含め5試合が雨天で順延に。2日目も3会場がコンディション不良により使用できなかった。試合ができたコザしんきんスタジアムとONNA赤間ボール・パークも、第1試合が始まったのは午後1時を回っていた。

2日目終了時点で決勝進出チームを選出できないこともあり、3日目は全チームの試合数を優先。優勝、準優勝等の順位づけはせず、1試合のみしか消化できなかったチーム同士で試合を行う。

那須勇元事務総長は「夏の全日本選手権に向けて全ての選手に多くの経験・学びをしていただく時期であることを踏まえ、遠征により大会に参加していただいているチームで、まだ1試合しか消化していないチームの試合を優先的に開催するための措置であります」とコメント。ポニーリーグが掲げる「野球は試合に出て覚えよう」という理念を貫き、選手の未来を優先する英断となった。

参加チームのこの決定を歓迎。初戦で敗れた八重山ポニーズ(沖縄)は石垣島唯一の中学硬式野球チームで、普段は大人の草野球チームと練習試合をしている。今大会は選手にとって同世代と試合ができる貴重な機会だ。もう1試合できることになり、友利真二郎監督は「本当にありがたいです。素晴らしい理念だなと。協会、そして勝ったにもかかわらず球場を譲ってくれたチームに感謝して、全力でプレーしたいと思います」と喜んだ。

仲間を思いやるポニーの心が大会運営にも反映されているようだ。(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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