三浦・城ケ島のマグロ卸会社 脱フロンの省エネ型冷凍システム導入 「次世代につなぐためにも」

超低温冷蔵庫の屋上に設置された空気冷凍システムの設備。冷蔵庫内の空気を循環して冷却する=三浦市三崎町城ケ島の三崎恵水産

 創業から半世紀以上のマグロ卸販売「三崎恵(めぐみ)水産」(三浦市・城ケ島)が、環境負荷の低減に力を入れている。3月には超低温冷蔵庫の設備を脱フロンの省エネ型冷凍システムに更新した。石橋匡光社長(43)は「次世代につなぐためにも、地球温暖化防止に貢献したい」と意気込む。

 導入した空気冷凍システムは、最大2千トンの収容能力がある超低温冷蔵庫内の空気を直接循環させて冷やし、氷点下55~60度を維持する。フロンを使わず使用電力も減るため、年間232トンの二酸化炭素(CO2)が削減できる見込み。同社が排出する量の17%に相当するという。

 同社は2025年までに、自社使用電力の100%を再生可能エネルギーによって発電された電力とする「RE100」の達成を目指している。東日本大震災翌年の12年には社屋屋上に太陽光パネル(10キロワット)を設置。20年からは自社使用電力の10%に相当する第二加工場の電力に再生エネを使用しているほか、提携先の電力会社から調達した再生エネによる電力の販売も取り扱っている。

 国連環境計画(UNEP)は地球温暖化などの影響で50年ごろには海の生態系の変化が顕著になり、世界中の海域で漁獲量が減少すると予測している。石橋社長は「温暖化が進めば、私たちの商売もできなくなる。採算面では厳しいが、脱炭素社会実現のため、使用するエネルギーも選ぶ必要がある」と強調した。

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