新庄ハムと“命運”分けた…ソフトバンクの投打が浮き彫りにした「四球」の怖さ

ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】

開幕3連戦で15四球を選んだ一方で、13四球を与えたソフトバンク

■ソフトバンク 6ー4 日本ハム(27日・PayPayドーム)

ソフトバンクは27日、本拠地PayPayドームで日本ハムに6-4で競り勝った。注目を集めた新庄剛志新監督との開幕カードは3連勝を飾り、絶好のスタートダッシュに成功。この3連戦で投打とも浮き彫りになったのは“四球”の重要性だった。

3連勝を飾った藤本博史監督は試合後にこう語っていた。「四球ですよね。野手は四球を選んでくれているんでね。長谷川コーチが野手に伝えていってくれている。投手の方ですよね。特に強いボールを投げる投手。ゾーンで勝負して、打たれても怒らない。もっと気持ちを全面に出して勝負してもらいたい」。四球を選んで得点に繋げる野手陣、四球が失点に絡む投手陣をこう評した。

この日は4回、先発の杉山がアルカンタラを四球で歩かせ、ヌニエスの適時二塁打で失点。同点に追いつかれた5回には、2番手の椎野が12球連続ボールとストライクが入らず、3連続四球で押し出し。逆転を許した。

開幕戦では1点ビハインドの8回1死二塁で打席に入った代打の牧原大がしぶとく四球を選んで繋ぎ、その後にガルビスの逆転満塁弾が飛び出した。2戦目も5回に今宮が二塁打を放つと、2死二塁から三森、佐藤直が四球を選んで満塁に。そこから柳田、グラシアル、栗原の3連続適時打で一気に勝利を手繰り寄せた。

2戦目の後にも藤本監督は「1番、2番が四球、四球で繋いだ。そういうのも大事になってくる。ただ打って繋ぐんじゃなく、四球を選ぶことも良かった。1、2番の四球はなんとか1点、繋いでいくぞというのが見られたところ」と語っていた。ソフトバンクはこの開幕3連戦で攻撃陣が15個の四球を選んだ一方で、投手陣は13個の四球を与えた。

改めて四球の重要性を実感する結果となった3試合。昨季、優勝を逃す一因になったのは、四球禍に泣かされたところにもある。打者は四球を選び、投手は余計な四球は与えない。当たり前のようなことだか、今季もここが鍵を握るのは変わらないようだ。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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