最近話題の「NFT」や「Web3.0」って何?LINEでNFTの売買が4月から可能に

コミュニケーションアプリ「LINE」の暗号資産やブロックチェーン関連事業を展開するLVCが、2022年3月23日にプレス向けのイベントを開催。NFTの総合マーケットプレース「LINE NFT」を4月13日より提供することを発表しました。

サービス開始当初は、吉本興業やスクウェア・エニックス、テレビ朝日など17のコンテンツと連携し、7ジャンル100種類以上のNFTを販売するそうです。イベントに登壇したLVCの林CEOは、「Web3.0世界への入口をユーザーに届けていく」と同サービスの意義を語っていました。

最近よく見聞きするようになった「Web3.0」や「NFT」ですが、どういったものなのでしょうか?


「Web3.0」とは

近年生まれた概念で、次世代のインターネットとも呼ばれています。まだ定義はされていませんが、現在の課題を解決することが期待されており、「分散型インターネット」や「非中央集権型インターネット」とも表現されます。

『「LINE NFT」戦略発表会』プレゼン資料より

理解を深めるために歴史を振り返ると、インターネットが普及した当初(Web1.0)は、発信者と閲覧者が明確に分かれていて、情報の発信は一方通行でした。個人サイトや企業サイトによるテキストや画像がコンテンツの中心であり、コミュニケーションはメールが主流でした。そこからWeb2.0が登場し、SNSが普及することでユーザー同志のリアルタイムの双方向コミュニケーションが主流となりました。技術面でもクラウドとモバイルが主流になり、サービスを展開する特定の企業に、行動や閲覧の履歴などさまざまな情報が集約されるようになりました。

Web3.0では、ブロックチェーンというネットワーク上のコンピューター同士で直接やりとりしてデータを分散させる技術を用いて、特定企業などにデータや情報が集約される=中央集権を解消させることを目指しています。これにより、ユーザーが自身の情報やデータを自己管理できるようになり、サービスの提供方式も変わることから、大きな変革に繋がると注目を集めているのです。

「NFT」とは

正式名称の「Non-Fungible Token」(ノン ファンジブル トークン)の略で、日本語では「非代替性トークン」といいます。ブロックチェーン技術を用いた、デジタル認証を行うための代替不可能なデータ単位のことを指します。

『「LINE NFT」戦略発表会』プレゼン資料より

NFTにデジタルデータを紐づけることで、そのデータが複製や改ざんされたものではないこと、さらに制作者や所有権まで明確にできる「証明証」の役割をはたします。このことで、デジタルデータも「物理的なもの」と同じように資産として価値が見出されてきています。

Twitterの元CEOのジャック・ドーシー氏によるサービス初のツイートが約3億円で販売されたり、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷 翔平選手のNFTが1,150万円で落札されたこともニュースになりました。こういった話題性からも、NFTからWeb3.0に興味を持った人も多いかもしれません。

「LINE NFT」の特徴

それでは改めて、今回発表された「LINE NFT」は、どういったサービスなのでしょうか?

利用方法は、サービスへの新規登録は必要ですが、LINE IDがあればNFTを購入することができます。購入したNFTは「LINE BITMAX Wallet」で保管でき、ユーザー同士で交換できます。また、一次流通のほか、ユーザー間で取引(売買)する二次流通も可能です。

『「LINE NFT」戦略発表会』プレゼン資料より

今後は所有するだけではなく、購入したNFTをプロフィールやスタンプで活用する機能も検討しているそうで、ソフトバンクやZホールディングスといったグループ企業との協業や、ZOZOとアパレル関連など、より多くのNFT体験を提供していくそうです。

なお、決済方法はLINEが発行している暗号資産「LINK」のほか、LINE Payを使った日本円での決済にも対応しています。サービスの全てがLINE上で完結しているため、LINEユーザーが利用する際のハードルは低そうです。


イベントでLVCの林CEOは、サービスのコンセプト動画のフレーズを用いて「『NFTはきみのもの』という言葉が大好きです。まさにNFTはコンテンツプロバイダーやクリエイター、ユーザーが中心になる、そして誰もが簡単に参加して楽しむことができる世界です」と、その魅力を語りました。

Web3.0やNFTは、まだまだ浸透しているとは言い難い状況ですが、9,000万人の利用者を抱えるLINEから多くのユーザーが利用するようになると、一気に身近な存在になるかもしれませんね。

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