ベリンジャーの復調を信じるドジャース オープン戦は20打席14三振

各媒体が今季のバウンスバック候補に挙げるコディ・ベリンジャー(ドジャース)だが、オープン戦では苦しい日々が続いている。ここまで7試合に出場して20打席に立ち、出塁できたのは4度だけ(3安打と1四球)。実に14個もの三振を喫し、三振の割合が70%に達しているのだ。2019年にMVPを受賞したベリンジャーは、そこから2年連続で大幅に成績が悪化。昨季は9月に打撃フォームの修正を行い、ポストシーズンでは打率.353と好成績を残したものの、現在は再び結果が出ずに苦しんでいる。

昨年9月以降の打撃フォームをそのまま維持することが最も楽な選択肢だったのかもしれない。ところが、ベリンジャーはオープン戦が始まると、以前の打撃フォームに戻した。なぜそうする必要があったのか。「肩も身体も昨年のポストシーズンのときより状態がよくなっている。過去に多くの成功を収めたフォームに快適さを感じているんだ。過去のフォームを取り戻すことが大事なんだよ」とベリンジャー。昨年9月の打撃フォーム修正は、あくまでも状態がよくないなかでの苦肉の策。身体の状態がよくなった今、以前のフォームを取り戻すために試行錯誤しているというわけだ。

「出ている結果が示すよりも状態はいい」と楽観的に語るベリンジャーだが、デーブ・ロバーツ監督は「彼はときどき、自分の能力を信用するよりも、打撃メカニクスに関する科学にとらわれてしまうことがある」と心配を口にする。様々なデータに囲まれている現代の選手らしい状況と言えるだろう。ロバーツ監督は今のところ、ベリンジャーから正中堅手の座を剥奪することは考えていないようだが、シーズン開幕後も現在の不振が長引くようであれば、再考せざるを得ないときが来るかもしれない。

ベリンジャーとドジャースは、依然として「事態はすぐに好転するはずだ」と信じている。日本時間4月9日に迎えるロッキーズとの開幕戦まで、まだ2週間近い時間がベリンジャーには残されている。2019年に1.035を記録したOPSはわずか2年で半分(昨季OPS.542)になってしまった。果たして、ベリンジャーはチームの信頼に応え、強打を取り戻すことができるのだろうか。

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