辺野古護岸の延長工事に着手 300メートル先には大型サンゴ群体

 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、防衛省沖縄防衛局は28日、K8と呼ばれる護岸の延長工事に本格的に着手した。2021年夏から続けてきたサンゴ約3万9千群体の移植が完了したため、22日ごろから準備作業を進めていた。
 
 サンゴ移植を巡っては農林水産相が沖縄県に許可するよう是正指示を出して裁判に発展し、その後、県が移植許可を撤回して国が審査請求で撤回を覆すなど国と県の攻防があった。

 また、工事現場から約300メートル離れた地点に大型サンゴ2群体が生息しているが、防衛省は移植せずに工事を強行した。

 防衛局は2019年3月、K8護岸の工事に着手し、全長515メートルのうち約250メートルを造った。新たに延ばすのは約190メートル分だ。

 護岸の延長予定地や周辺に生息していた小型サンゴ約3万9千群体について、防衛局は昨年夏に移植を始めた。今月18日に完了したと県に通知していた。

 工事予定地から約300メートル離れた場所に生息する大型サンゴ2群体についても移植する予定だったが、県から移植の許可を得られず、移植せずに工事を進めることを決めた。独自のシミュレーションを実施し、移植せず工事をしてもサンゴの生息環境に問題は生じないと結論付けた。

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