神奈川・小田原「風魔忍者」400年ぶり復活 現代の担い手は

迫力ある殺陣を演じた忍者たち=小田原市観光交流センター

 戦国の世に生き、小田原北条家を陰で支えた「風魔忍者」の400年ぶりの“復活”に向け、小田原市観光協会の忍者養成講座の受講生が26、27日に小田原城周辺で行われた忍者ショーにデビューした。半年間の厳しい修行を重ね、迫力のある殺陣アクションを観光客らに披露。風魔忍者を小田原観光の新たな目玉にするべく、初陣を飾った駆け出しの忍(しのび)たちは「奥が深い。まだまだ上達しなければ」と気を引き締めた。

 伝承によると、風魔は北条家初代・早雲によって見いだされ、敵軍の諜報(ちょうほう)や撹乱(かくらん)で北条家を支えた。その頭領は代々「風魔小太郎」の名を継いだが、江戸幕府によって滅ぼされた。同協会は外国人にも人気な忍者で観光客を呼び込もうと、小田原城での定期的な忍者ショーを計画し、昨年9月に志願者を募った。

 呼び掛けに応じたのは10代~30代の男女19人。居合や少林寺拳法、ダイナミックや跳躍や走りを披露するパルクールの経験者や、ミュージカル女優ら多彩な才能がそろった。殺陣師の米山勇樹さん(44)を講師にアクションを一から学んだ。

 お披露目のショーは北条家と上杉家による河越城の戦い(1546年)の裏で繰り広げられた両軍の忍たちの争いを熱演。アクロバティックな宙返りや鋭い剣さばきで会場を沸かせた。

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