80年代を彩る黒鍵と白鍵、ポールの「エボニー&アイボリー」がもたらしたものは?  40年前の今日 ― 1982年3月29日 ポール・マッカートニー&スティーヴィー・ワンダーのシングル「エボニー&アイボリー」がリリース

様々なアーティストの共演が実現した80年代

思えば、1980年代の音楽シーンは「企画モノ」の宝庫だった。もちろん70年代以前にもデュエット曲などの企画は決して少なくなかったが、多くは同レーベル、同ジャンル、同人種によるものだった。それが80年代に入ると一変する。いくつもの垣根を乗り越えて、様々なアーティストの共演が実現するようになったのだ。

■ ハニードリッパーズ / シー・オブ・ラヴ
■ フィリップ・ベイリー with フィル・コリンズ / イージー・ラヴァー
■ パワー・ステーション / サム・ ライク・イット・ホット
■ ディオンヌ&フレンズ / 愛のハーモニー ■ アレサ・フランクリン&ジョージ・マイケル / 愛のおとずれ

もし、この一連の流れに何か「きっかけ」があるとしたらこの曲だろう。

ポールとスティーヴィーが共演「エボニー・アンド・アイボリー」

ポール・マッカートニーがスティーヴィー・ワンダーと共演したことでも話題になった「エボニー・アンド・アイボリー」だ。1982年3月29日にリリース、ビルボードで7週連続1位となり、その年の年間ランキングでも4位を記録した。

曲のコンセプトは「ピアノの黒鍵(Ebony)と白鍵(Ivory)が一つのハーモニーを奏でるように、白人と黒人、無色人種と有色人種、すなわち人類が調和する」… だから、これがなければ「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?」も「ウィ・アー・ザ・ワールド」もこの世に存在しなかったに違いない。

メイキング映像の中でポールは、スティーヴィーと共演した動機について、「僕がアイボリーだから、エボニーが必要だった。最適なミュージシャンは誰かと考えたんだ。スティーヴィーに直接電話したら、すぐにいい返事がもらえたよ」と言っている。

彼はその後、今度はマイケル・ジャクソンと「ガール・イズ・マイン」、「セイ・セイ・セイ」で共演した。

SONG Data Ebony and Ivory / Paul McCartney
作詞・作曲:Paul McCartney
プロデュース:George Martin
発売:1982年3月29日(1982年5月15日1位)

■ The Girl Is Mine(1983年1月8日2位)
■ Say Say Say(1983年12月10日1位)
■ Do They Know It's Christmas ?(1985年1月19日 13位)
■ We Are The World(1985年4月13日1位)
■ Sea Of Love(1985年1月5日3位)
■ Easy Lover(1985年2月2日2位)
■ Some Like It Hot(1985年5月11日6位)
■ That's What Friends Are For(1986年1月18日1位)
■ I Knew You Were Waiting (For Me)(1987年4月18日1位)

※2016年1月29日に掲載された記事をアップデート

カタリベ: 中川肇

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