11年ぶりカージナルス復帰のプホルス 今季限りでの現役引退を表明

日本時間3月29日、カージナルスはアルバート・プホルスと1年契約を結んだことを正式に発表し、入団記者会見が行われた。カージナルスでプレーした2001年からの11年間にチームを2度のワールドシリーズ制覇へ導き、3度のナ・リーグMVPに輝いた名打者は、今季が現役最後のシーズンになる予定であることを明言。今季限りで名捕手ヤディアー・モリーナとともにユニフォームを脱ぐことが確実となった。なお、契約条件は球団から発表されていないが、1年250万ドルであることが報じられている。

現在42歳のプホルスは、21年間のメジャー生活で通算2971試合に出場して3301安打、打率.297、679本塁打、2150打点、OPS.919を記録。特にカージナルスでプレーしたメジャーデビューからの11年間は驚異的な活躍を見せ、10年連続で打率3割、30本塁打、100打点をクリアするなど、打率.328、445本塁打、1329打点、OPS1.037の大活躍でシルバースラッガー賞6度、ゴールドグラブ賞2度、オールスター・ゲーム選出9度といった輝かしい実績を残した。

カージナルスには不動の正一塁手としてポール・ゴールドシュミットがいるため、通算700本塁打まであと21本に迫っているプホルスは、主に対左腕用のDH、もしくは代打の切り札として起用される見込み。ジョン・モゼリアック編成本部長は当初、ノーラン・ゴーマン、ラーズ・ヌートバー、フアン・イェペスといった若手選手たちにDHでの出場機会を争わせる方針を明らかにしていたが、左打者のコリー・ディッカーソンとのプラトーンでプホルスの経験を生かす方向にシフトしたようだ。

2度目のワールドシリーズ制覇を成し遂げた2011年シーズン終了後にFAとなったプホルスは、10年2億4000万ドルの大型契約でエンゼルスへ移籍。しかし、エンゼルスではカージナルス時代のような活躍はできず、通算600本塁打、3000安打、2000打点といった節目の記録には到達したものの、オールスター・ゲーム選出1度を実績に加えたのみだった。10年契約を全うすることなく、昨年5月に解雇。その後、ドジャースと契約し、昨季は2球団合計で109試合に出場して17本塁打を放った。

チームを2011年以来11年ぶりのワールドシリーズ制覇に導くためにセントルイスに戻ってきたプホルス。以前から「一緒に引退したい」と話していたモリーナとともに現役ラストイヤーを過ごすことになったが、彼らの輝かしいキャリアはどんなエンディングを迎えるのだろうか。球史に残る名打者のラストシーズンがまもなく幕を開ける。

© MLB Advanced Media, LP.