東日本大震災から11年 福島原発岡山訴訟が「事実上の結審」

福島第一原発事故で福島県から岡山県へ避難した人たちが国と東京電力に損害賠償を求めた裁判です。東日本大震災から11年が過ぎ、29日事実上、結審しました。

「汚染のない状態になれば心から福島に戻りたいです」。107人の原告の1人がこう意見陳述して29日の裁判が始まりました。

原告側は、津波を予期していたにも関わらず十分な対策をとらなかったことが事故につながったとして、国と東京電力に1人当たり1100万円の損害賠償を求めています。

被告側の国は、津波は予見や回避ができなかったと主張し、東京電力は原告の多くが損害賠償を受けており、未払いの精神的な損害が認められるとは言えないなどと主張しました。

原告弁護団の記者会見では――。

(原告/芦川雄一郎さん)
「(被告の主張は)私はとてもひどいものだと思いました。笑顔をもし携えているとすれば、それぞれが必死の思いで築き上げてきた笑顔だと思います」

国の責任については最高裁が判断を示す見通しで、その後、岡山地裁で判決が言い渡されます。

(原告男性)
「避難することによって圧倒的に皆さん多くのものを失ってここまできている。どんな判決が出るか分かりませんが、見届けたいと思います」

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