選択的夫婦別姓導入に関して、若者世代と高齢者では大きなギャップが

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。「FLAG NEWS」のコーナーでは、“選択的夫婦別姓”について意見を交わしました。

◆選択的夫婦別姓の導入に世代間で大きなギャップが?

内閣府が行った世論調査で、選択的夫婦別姓の導入を「求める」と答えた人は28.9%。前回の2017年の調査から設問を大きく変更した結果、42.5%から大幅に減少しました。

ただ、今回は回答者の半数近くを60代以上が占めており、野田聖子男女共同参画担当大臣は「現実とかけ離れている」と批判。その上で「これから結婚する世代を中心に新しい法制度を求める声が高まっている」と述べ、若い世代の意見を踏まえて検討を加速させる意向を示しました。

◆選択的夫婦別姓について、Z世代の見解は?

このニュースに対し、現在独身でまさに当事者でもあるブイクック CEOの工藤柊さんは、「名前を変えることは大変だと思うので、選べるようになれば」と自身の見解を示します。そして、今回の調査で当事者世代の関与が薄かったことを疑問視するとともに、選択的夫婦別姓の是非について「なぜ別姓を選びたいのか、認められないのかなど、もう少し焦点を当てて話してほしい」とより事細かな調査を希望します。

一方、NPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星さんは、若者のリアルな意見も大事なものの、大空さん自身が政府統計の作成に関わった際に感じたのは「世代間の公平性を担保しなければならないこと」。選択的夫婦別姓については、「若者、結婚している人よりもしていない人のほうがより当事者性があるが、高齢者に考える権利、答える権利がないかと言えば、それも違う」と指摘。「60歳以上の方々も自分の子どもや孫の世代のことを考えている。特にこれは政府統計なので、世代間のバランスはしっかりと保つべき」と主張します。

食文化研究家で株式会社食の会 代表取締役の長内あや愛さんは、報道にあった「2017年の調査から設問を大きく変更」という部分に違和感を覚えつつ、「支持率3割という、その言葉だけに踊らされてはいけない」と注意を促します。

そして、当事者世代として「通称使用の拡大もまだまだ議論の大きなポイント」、さらには「29歳以下が何%だったかをもっと大きく出してもらうようにしなければいけない」とも。

また、キャスターの田中陽南は、名前を変える際の手続きが未だ煩雑なことに触れ「手続きを簡単にすることも解決の一助になるのでは」と示唆。

各々、選択的夫婦別姓に対して見解を述べるなか、最後に大空さんは、このテーマにおいてあまり机上に上がることのない「同性婚」との関係性について言及。「選択的夫婦別姓よりも同性婚に関する議論をまず行うべき」と主張します。

なぜなら、選択的夫婦別姓問題は結婚できる人たちの議論であり、現状、同性婚を求める人は結婚したくても認められないため、議論に含まれないから。「結婚は、ある種日本においては特権。誤解を恐れずに言えば、(選択的夫婦別姓は)特権を持っている人たちがさらに特権をもらおうとする議論。一方で、結婚という制度を平等にした上で議論すべきなのか。僕は後者だと思う」と語り、まずは同性婚に関する議論を優先することを望んでいました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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