「小さな声を大切にして政策提言」愛知県議会議員 岡明彦(おか・あきひこ)さん県政報告インタビュー(PR)

愛知県議会議員(名古屋市緑区)岡明彦さん

2015年4月に行われた統一地方選挙の愛知県議会議員選挙(名古屋市緑区)で初当選してから県議会議員として2期、8年目を迎えようとしている岡明彦さん。学生時代はソフトテニスや合唱をはじめとした音楽に親しみ、大学卒業後は、公立高校の国語教師、新聞記者を経て、公明党愛知県本部の事務長や文化芸術振興会議事務局長、小学校PTA会長、消防団員など多岐にわたる経歴、実務経験を活かして実績を残されています。

岡明彦さんのホームページに掲載されている自身の応援ソングの冒頭にある「みどりを愛する おか明彦 教育 経済 防災 福祉 高校教師の 経験と 情熱燃やして 挑みます」のフレーズそのままに、地元密着で活動を続けられる岡さんに、地域に身近なものから地域を超えたものまで、取り組んできた課題とこれからの展望についてお話をお伺いしました。

教育・防災・交通安全・障がい者支援―岡さんの視線は弱者を見つめる

選挙ドットコム編集部(以下「選挙ドットコム」)県議会議員として2期目の後半にさしかかって、これまでどのようなことに取り組んでこられたのでしょうか。

岡明彦さん(以下「岡さん」):名古屋市で2番目に大きい県営都市公園である「大高緑地」の充実、日本遺産に認定されている「有松・鳴海絞り」という伝統工芸品の振興。また緑区が名古屋の中でも数少ない人口増加区域で子育て世代も多いことからの安心・安全の交通安全対策。教員だった経験を活かした教育環境の整備、南海トラフ地震に備えての防災、防災に関しては防災士の資格も持っています。また、障がい者の就労などの支援に取り組んできました。

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安全対策こそ急務―万年塀・ブロック塀撤去と通学路の安全

選挙ドットコム選出区内はもちろん、多岐にわたって県政での活動をされていますが、そのなかで特に力を入れてきたものはあるのでしょうか?

さん:皆さんから頂いた課題を解決する目標を短期・中期・長期に大別して取り組むようにしています。短期的な問題解決の例は、大阪府北部地震でのブロック塀事故(女児が死亡)などを受けて、県立学校や県営団地などの「ブロック塀」「万年塀」(鉄筋コンクリート組立塀)の撤去に力を入れたことです。また、通学路の安全対策に活用できる学区の交通安全マップの普及などにも尽力してきました。

県営伝治山住宅の万年塀(左:撤去前 右:撤去後) 下:ブロック塀診断士さんと共に県立学校の万年塀についての調査

選挙ドットコム街の中の安全対策ですね。具体的にはどういったものがありますか?

岡さん:緑区の県営伝治山住宅にある塀が「万年塀』でした。懇意にしているブロック塀診断士の方に「ブロック塀も危ないけど、『万年塀』もパタパタと倒れるから危ない」とアドバイスをいただいていました。そこで県議会でその危険度を指摘(2018年)した結果、県有施設の危ない塀を撤去・改良できた、ということがありましたね。

緑区は人口急増地で、人が増えれば車が増えます。当然車は、(渋滞時間帯などに)抜け道を探すようになります。その抜け道が、通学路と重なるところが多かったのです。愛知県は交通事故の死亡者数で長年ワースト1でした(注:2019年に2番目となり、最新の2021年では7番目まで下がっている)。そこで、県警は小学校区別安全マップを作ったのですが、議会の質問の中で「全県下で安全マップの見える化をしてほしい』(2020年)と進言し、各警察署はHPに掲載しました。また、緑区鳴海東部小学校の近くの「平手」交差点は変則の5差路になっていて、通学中の子どもたちが滞留できる場所がなく危なかったのです。そこに砂時計式信号機を設置してもらい、子どもたちが目で見て危険をすぐに判断できるようにしました(2018年)。

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視認性を高めた平手交差点の砂時計式信号機

視認性を高めた平手交差点の砂時計式信号機

生徒の不登校問題に接し、社会と教育の関わりに悩む

選挙ドットコム岡さんが政治の世界に入ろうと考えたきっかけは何ですか?

岡さん:子どもの頃から教師になりたいと考えていました。筑波大学に入った時にはもう教師になったつもりでした。体育会軟庭部に入ったのも、部活動指導が出来る教員になれるように、と思ってのことでした。新設の県立豊田北高校で教員をしていた中で「不登校・不適応」の生徒たちの未来を深く考えるようになりました。スクールカウンセラーもない時代でしたので、教員だけではサポートが難しいと悩み始めた時期にマスコミの世界からお声がけがありました。その後、記者として社会問題に関わる中で「政治の分野で教育や文化・芸術の振興について考えるのもあるなあ」と思うようになりました。

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一流の料理人からなる県調理師会主催の「子ども食堂」の開設に尽力

文化・芸術の力を信じて―「有松・鳴海絞り」

選挙ドットコム体育会系の国語の教師をされた経験を持たれつつ、文化・芸術にこだわるのはなぜでしょうか?

岡さん:元々は音楽の教員になりたかったのです。中学時代には愛知で1、2位を争う合唱部が挑んだコンクール(Nコン)にエキストラで参加していました。歌うのは楽しいですよ。スポーツと芸術は似ています。繊細な感覚で表現していくという点ですね。今の社会の中では、想像力、人の痛みを知る力が失われつつあると思います。それをつちかっていくのが文化・芸術の力と思っています。また、文化・芸術は人と人をつなぐものですよね。だから、一つ一つの文化・芸術を支えていきたい。この延長線上に日本の文化と伝統がつまった「有松・鳴海絞り」もあります。

名古屋市緑区有松地区の街歩きイベントを推進

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選挙ドットコム:掘り下げますとそれはどういうことでしょう?

岡さん:「有松・鳴海絞り」は愛知県、そして日本を代表する伝統産業です。しかし、私たちの生活様式が変わっていく中で、日常の着物文化がなくなるなど、「有松・鳴海絞り」が生きていくところが徐々に狭くなってきています。後継者も少なくなって、「衰退するか、生き残るか」の分かれ道に来ていますが、ものづくり日本の文化的シンボルとしてけっしてなくしてはいけません。

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選挙ドットコム「『衰退するか、生き残るか』の分かれ道」、ですか?

岡さん:ご当地ではアーティストともいえる若い職人も生まれてきています。令和4年7月からの国際芸術祭『あいち2022』(「あいちトリエンナーレ」から名称変更)のメイン会場のひとつに有松地区が選定されました。「有松・鳴海絞り」が現代アートと出会うことで、どうインスパイアされるのか。現代アートが有松の伝統的な文化に触れることでどうブラッシュアップされるのか。伝統と革新がしのぎを削る所に、新しい日本の文化が生まれるにちがいありません。

また、有松地区は日本遺産に認定されたことで観光の要素も強く意識すべきです。『あいち2022』に前後して、11月には本県にジブリパークもオープンします。大都市に江戸の情緒を残す街道が続く有松地区の面白さをジブリパークの開業と同時に伝えられないか、ジブリパークを核とした周遊観光など新たな取組も考えています。

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健常者と障がいを持つ方がともにつながり、楽しめる「eスポーツ」―ユニバーサルデザインにもとづく社会へ

選挙ドットコム障がい者の「eスポーツ」団体の副会長もやっておられるとお聞きしました。

岡さん:発達障害があり、人間関係の構築は不得意ですがデジタル能力がある方。また、肢体不自由な方をはじめ、ICTを活用すればいろんなことができる障がい者はたくさんいらっしゃいます。健常者と障がいを持つ人を対等につなげる。そして、対等に楽しむものが「eスポーツ」なんです。私は議会での質問だけでなく、在名古屋のテレビ局の事業と障がい者のeスポーツを結び付けたりして、障がい者の活動が注目されるよう尽力しています。この「eスポーツ」団体の活動は全国的にも注目されており、NHK EテレハートネットTV「eスポーツがひらく社会への扉」で特集もされました。

大村県知事と共にeスポーツ団体の活動を視察

選挙ドットコム議員になって政策をつくったり、課題解決へ提案する際に心掛けていることはありますか?

岡さん:実は私の祖父も県議会議員でした。豊橋市選出だった祖父は、1960年代に、三河湾の環境問題を議会で取り上げていました。高度経済成長期で、当時は耳を傾ける人がいない問題提起だったようですが、“海はきれいものに決まっとる。そこで生活する人の幸せのために、美しい海を取り戻さなければ”と訴えたそうです。一般市民の代表として、当たり前のことを当たり前のように主張したんですね。この祖父の主張については子ども心に残っています。小さな声もすくい上げて、祖父のように行動していくことを議員活動の根底におきたいと思っています。

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誰もがいきいきと暮らせる毎日をつくりたい

選挙ドットコム:伝統工芸「有松・鳴海絞り」のお話も、eスポーツのお話も、一歩間違えるとなくなったり取り残されたりするかもしれないものを、なんとかしようという姿勢がうかがえる気がしますね。

岡さん:叔母の子どもが重度の障がいを持った方でした。苦労しながら叔母らが育てている姿がまぶたに焼きついています。障がいを持っていても、能力はみんな持っているんです。それを引き出すのが社会なんです。誰ひとり取り残さない政治とはどういうものか。小さな声を聞く力とはどういうことなのか。コロナ禍の今だからこそ現場で皆さんと共に活動しながら、理想の議員像に近づく自分になりたいと思っています。

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選挙ドットコム岡さんが普段、考えるために大切にしていることは何でしょうか。

岡さん:自分から動いたら人に会えます。動かなければ誰にも会えません。それが重要だと思っています。人に会うことで見識が高まり、新たな発想、思考が生まれます。自分は『おせっかい』だと思っています。しかし、好奇心旺盛で『おせっかい』だからこそすぐ外に出て、誰かと会って仲良くなることができます。ひとつの出会いを育ててゆく、仲良くなるのは本当に大切なこと。そこから、県民や緑区民の皆さまの幸せづくりにつながる行動が始まると思っています。

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選挙ドットコム幸せづくりにつながる行動、といいますとどのようなことでしょう?

岡さん:一言でいえば「つなぎ役」ですね。県、緑区、企業、学校、人、各々の間に入りコーディネートしていく役割ともいえましょうか。たとえば、愛知県は県立学校も含め、タブレットの整備率が全国でも低位だったのですが、日本マイクロソフト社と連携協定を結んだことをきっかけに飛躍的に整備率が伸びました(2022年9月までに県立学校でも1人1台端末が実現)。この連携のお手伝いもしましたが、行政や企業との間に入って、つなぐことを行ってきたわけです。 行政職員は、施策を作るのは得意だけど、それを具体化するより良い方法が分からなかったりします。行政と地域の間に入って施策を展開する原動力を作っていく感じでしょうか。もちろん議員活動ののベースは、『(県政にかかわることを)調査すること』であり、その調査したことを基に『議会で質問・要望すること』なのですが、それに加えて私は「つなぐ力、コディネートする力」が大切だと考え、活動しています。

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子どもたちに「夢・希望・気づき・発見」のある教育環境を

選挙ドットコム:岡さんの今後について教えてください。

岡さん:地域のために力を尽くしていきます。やはり自分は教員出身ですので子どもたちに「夢・希望・気づき・発見」ができる教育環境をつくりたいと思っています。

民間の企業などとも連携しながら、学校現場で最先端のデジタル技術を学んだり、一流の企業家やスポーツ選手を招いたりすることで、子どもたちが希望を持ち、新しい発想や深い思考を生み出す教育、開かれた学校を作っていくお手伝いを続けていきたいと思います。

また、愛知県は全国の都道府県で唯一、県立博物館がない県(※2022年3月現在、都道府県立または国立の博物館を持っていない県)です。知多半島の世界でも珍しい深海生物化石などの自然史系文化財の保存・活用をはじめ、「博物館構想」を立ち上げて新たな発見と学びの場所を作ろう、と動いています。そういう魅力ある場づくりをしっかりサポートしていきたいです。

地元、名古屋市緑区については、「大高緑地」に複数のプールがあるのですが、そのプールが廃墟になっています。私も子供時代に利用させていただき、懐かしい思い出もあります。私は、子どもたちが遊べる水場を残しつつ、自然体験が出来る施設や、今話題の若者に人気のあるスポーツ施設など、未来を生きる子どもたちが喜ぶ場をつくりたいと思っています。

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