空き家ポリス Vol.8 妄想が進む屋敷物件

「空き家ポリスの本当は教えたくない福岡物件」。「住む予定もないのに、おもしろそうな物件を探して見に行く」ことを趣味とする空き家マニアが、福岡の空き家物件を紹介していきます。 第8回は、「妄想が進む屋敷」です。

今回お縄になったのは、炭鉱の街・大牟田にある戸建物件。
福岡県大牟田市880万円/10LDK/土地1,294‪㎡‬ のこちら。

外観はこんな感じで、パッと見た感じ「おおきそうな家だな」くらいの印象で全貌が分かりにくいんだけど、それもそのはず、本当に大きいのだ。

間取りを見るとよく分かるので、ご覧いただこう。

ジャーン!

タコ足のごとく縦横無尽に伸びるその間取りは、なんと10LDK!
面積でいうと250‪㎡の大空間が広がっているのだ。

注文住宅で家を建てた人なら分かると思うけど、ローコスト住宅の原則は、

1) 正方形に近づける
2) 総2階で建てる
3) デコボコを減らす

を守ること。
ということで、大半の庶民は上の3原則を守りつつ、家の形を決めていくことになるんだけど、、、この家は何ひとつ守ってない!
むしろ、原則を全部無視した富豪仕様の間取りをあえて選択しているのだ。

上空からも見てみよう。

周囲の家と比べて、もちろんサイズは大きいんだけど、屋根構えが桁違いに複雑で「どんだけお金かけてんだよ...」と白目になりそうなレベル。
たぶん内部も贅をこらした作りになってるはずだけど、残念ながら写真がないので、ここからは妄想をふくらまそうと思う。

核家族化した令和の時代に、10LDKを余すことなく使える家庭なんてめったにないから、住居用としては考えにくい・・・と思って間取りを見ていたら、どうやらほとんどの個室に廊下でアクセスできそう。ということで、この物件を買ってお店を始めてみようと思う。

と言っても自分でお店をするのではなく、各部屋をテナント貸しする作戦にしたくて、、、区分けはこんな感じでどうだろうか。

ピンクの枠で囲ったところは計7つのお店に入ってもらい、お屋敷を「まるごとひとつの商店街」のようなテイで運営しようかと。で、自分はオーナースペースに住みながら、テナント貸しして賃料をもらう、大家業という名の「コバンザメ計画」にいそしみたい。

それから、裏手を見るとさらに気になる存在があって、、

なんと白壁づくりの蔵があるのだ!
もしかしたらお宝が眠っている可能性もあるし、ここをゲストルームに改装して、一棟貸しの宿にリノベーションして遊びたい。

それから、屋敷の裏にはこんもりした林があって広い割に全然活用できてないので、ここを畑に替えて自給自足暮らしにトライしても楽しそう。

さらに言っておくと立地もなかなか良くて、南側は学校のグラウンドになっている。
つまりは、今後しばらく視界をさえぎる建物は建たないので、風景が変わる心配もなくて良き。

ということで、880万という金額をはじめ見たときは「けっこういい金額するな...」と思ったけど、これはむしろお買い得な気がする。

ひっそりとして隠れ家的な場所だけど、家へのアプローチもほんのりジブリ感あって雰囲気あるし、ローカルなエリアで面白いことを始めたい方ぜひ!

福岡県大牟田市880万円/10LDK/土地1,294‪㎡

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>>大牟田物件はほかにも
▶︎空き家ポリスVol.4 80万で買える和風邸宅
▶︎空き家ポリスVol.3 羊の皮をかぶる家

★大牟田の記事も併せてお読みください♪

https://fukuoka-leapup.jp/biz/202109.325

https://fukuoka-leapup.jp/city/202110.346

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