国立病院機構、業者と癒着発覚 職員ら74人の大量処分

 国立病院機構は30日会見し、取引先の業者から食事などの接待や他社の取引情報を漏らしていたことが発覚したとして、所属する病院の職員ら74人を懲戒解雇や停職などの処分を行ったと発表した。 贈賄側の企業も2年間の指名停止処分となった。

機構傘下の13組織で汚職

 同機構が明らかにした内容によると、処分を受けたのは国立病院機構本部(東京都)、下志津病院(千葉県)や、下総精神医療センター(千葉県)など12の病院に勤務していた職員合わせて74人。昨年2月に内部通報があり調査の結果、広範な汚職の事実が発覚した。警察にも昨年10月に相談しているという。

 機構によると処分された職員のうち28人は、

 ・5人が取引先だった小松電器(千葉県船橋市)から食事や旅行の接待を受け、うち1人が他者との取引情報を漏らした
 ・23人が小松電器に対し他社の入札価格を漏らし、同社が落札できるよう便宜を図った
 ・架空の請求書作成を依頼
 ・職員の引越し荷物の運送依頼

など、同機構の倫理規定に違反する行為を行なっていたという。そのため3人に懲戒解雇、16人に停職 、2人に減給、7人に戒告または訓告の処分を科したと発表した。このほか管理監督責任を怠ったとして46人を停職や戒告処分にした。贈賄側の小松電器は、24ヵ月の指名停止処分としている。 また事態の重さを考慮し、理事長以下3人の役員報酬の一部を自主返納する。

 この日会見した国立病院機構の楠岡英雄理事長は「深くおわび申し上げます。事態を重く受け止め再発防止に全力で取り組みたい」と陳謝した。

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