障害者雇用で働いています がんになったら仕事をやめろと言われ・・・差別・偏見 乗り越えてきたのに 40歳女性 両側乳がんになりました143

仕事をやめろ 自尊心が傷つけられた思い

今回はいただいたお手紙から考えます。

40歳女性
『こんにちは。私は乳がんの手術をしたばかりです。告知されてからはネットで情報を集める日々、そのときに番組を見つました。年齢的に罹患するには若い方だと思うのですが、母が両側乳がんだったため、「私も乳がんになるんだろうな」と思っていました。

でも母よりも若かったため「まだ大丈夫だろう」とも考えていて、告知の際は大きなショックを受けました。パートナーがいないため、妊娠を諦めないといけないことの説明がなかったことも少しだけショックでした。ただ、同時再建の話はありましたが、なぜかやる気が起きず、治療を終えてから考えることにしました。

私が住む東北地方のある県では、「がん=死」が根強い考え方です。そのため、「 仕事を辞めて、家族と共にがんと闘い、調子が良くなったら社会復帰する」という考え方です。正直、あまり好きではない考え方で、周囲から仕事を辞めろと言われた時には自尊心が傷つけられた気分になりました。またもうひとつ仕事に関して、私は障害者雇用で働いています。その仕事を辞めろと言ったのは、「その仕事が向いている」と就職活動を手助けしてくれた障害者施設の職員たちでした。

差別や偏見に対して「なくしましょう」と言っている人たちが、がんになった瞬間「仕事を辞めましょう、それが幸せです」と偏見の強い話し方をしました。今ある障害よりも、偏見が強く感じました。

「2人に1人が、がんになる時代」と言われていることが信じられないほど、がんについての本質的な理解が遅れているんだろうなぁと感じています。その人が生きている環境によってがんに対する考え方や捉え方は、微妙に違いがあると思いますが、がんに対する経験を共有してくれる番組とブログは本当にありがたいです。これから元気に少しでも長く生き、親が乳がん罹患している方に向けて、若い時期から乳腺の検診を勧める活動ができたらいいなと思います。』

思いを強くされてメールをいただいたことに感謝します。仕事を辞めた方が幸せ・・・誰が決めたのでしょうか。今ある障害以上に偏見が強く感じられたという言葉にその思いに、共感します。

やはり生きている、必要とされている、という周りからの支えや言葉が、治療などのつらさを乗り越える原動力になるのではないかと私は思っています。配慮すぎる配慮は排除につながります。

私も含めて、治療しながらも変わらず働いている方は増えています。女性であれば18万人以上が働きながら治療を続けています。り患している人数と比較するとやはりまだまだ少ないのが現状。自分で働けない、休みたい、という思いが強ければ、無理をせず休むべきですし、一方で働きたいという方の気持ちを奪ってはいけない、そう思います。

ご自身の思いがあれば、働きたい、と話し、応援してくださる人を探してみてはと思います。絶対いると思います。その小さな一歩が大きな一歩につながると思います。応援しています。

乳がん患者と大腸がん患者の温泉女子トーク 日常生活の悩みをお湯で流そう バーチャル温泉【SODANE】@cluster ピンクリボントーク#10 4月1日(金)午後7時半

https://youtu.be/cZKpS5CQ_R8

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