自宅で和菓子作り、町に興味を 湯河原の「味楽庵」 体験セット販売へクラウドファンディング

和菓子作り体験で練り切りのこつを伝授する味楽庵の小菅奉和社長=湯河原町宮上

 新型コロナウイルス禍に和菓子作りを自宅で楽しんでもらおうと、神奈川県湯河原町の和菓子店が手作り体験セットの販売を目指してクラウドファンディング(CF)で寄付を呼び掛けている。観光客が激減している温泉街で「和菓子作りを体験しながら町に興味を持ってもらおう」と企画。動画制作費などに必要な80万円を4月7日まで募っている。

 地元名物の「みかん最中(もなか)」などを販売する「味楽庵(みらくあん)」(同町宮上)は、1953年の創業。観光客の思い出づくりに一役買おうと、2000年から四季のモチーフをかたどった上生菓子「練り切り」の手作り体験を行ってきた。

 1時間で2種類を作る体験(1430円)は、ツアー客や外国人観光客らが年約5千人も訪れる人気だったが、コロナ禍で参加者は半減し、同店の売り上げも落ち込んでいる。

 子どもから高齢者まで楽しんでもらえる練り切り作りのこつを伝授するセットの販売を考えている小菅奉和社長(68)は「自宅では職人の手元を見て学ぶことができない分、動画作成のプロに依頼して練り切り作りのこつをより丁寧に分かりやすく伝えるために、皆さんのお力をお借りしたい」と話す。

 CFサイト「READYFOR」で今月7日から資金調達を始め、23日現在で25万3千円が集まっているという。目標金額を達成すると寄付金が振り込まれる仕組みといい、営業担当で長男の修さん(43)は「気軽に、分かりやすく体験できる商品を目指して準備を進めている。応援いただけたらうれしい」と話す。

 味楽庵のホームページからCFサイトにアクセスできる。

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