コンフォート未契約は右肩故障の影響 代理人のボラス氏が明らかに

FA市場に売れ残った唯一の有力選手となっているマイケル・コンフォートだが、代理人を務めるスコット・ボラス氏がその理由を明かした。「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者がボラス氏から得た情報によると、コンフォートは自主トレーニング中の1月に右肩を負傷。その故障が癒えてから契約交渉を行うことをコンフォートが望んだため、獲得に興味を示す球団との契約交渉が中断されていたという。すでに右肩の状態は回復しており、先週から契約交渉が再開されているようだ。

現在29歳のコンフォートは、昨季メッツで125試合に出場して打率.232、14本塁打、55打点、OPS.729を記録。2017年から3年連続で27本塁打以上を放ち、短縮シーズンの2020年には打率.322、9本塁打、OPS.927の好成績をマークしたが、FAになるタイミングで大幅に成績が悪化してしまった。メッツからのクオリファイング・オファーを受諾し、1年契約で残留して今季の活躍により自身の価値を立て直すという選択肢もあったが、コンフォートはクオリファイング・オファーを拒否。ところが、現在に至るまで契約先が見つからない状況が続いている。

ボラス氏は「経済面の問題ではないかとすべての人が思っている。でも、それは違う。彼の状態が通常に戻るのを待っていたんだ」とあくまでもコンフォート自身の希望で契約交渉を中断していたことを強調。ダイビングキャッチを試みた際に痛めた右肩の状態が回復するのを待ち、先週から各球団との契約交渉を再開したことを明らかにした。これが事実なのか、あるいは顧客の価値を落とさないためのボラス氏の戦略なのかは定かではない。

メジャーリーグ公式サイトは「開幕まであと1週間しか残っておらず、コンフォートの市場は急速に活性化するかもしれない」と伝えているが、大半の球団がシーズン開幕に向けた戦力補強を完了しているのも事実。ドラフト指名権を手放してまでコンフォート獲得に動く球団は現れるのだろうか。

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