自身の「志」考えて 田辺市でブランディング講座

「志から考えるブランディング」について講義する内村寿之さん(和歌山県田辺市湊で)

 JR紀伊田辺駅前の田辺エンプラス(和歌山県田辺市湊)で24日、コンサルタント会社「パラドックス」(本社・東京都)の内村寿之さんによる「ブランディング講座」があった。内村さんは「自分自身がどうありたいか。志がないとブランディングはできない」と呼び掛けた。

 南紀みらい(田辺市湊)が、さまざまな業態の経営者や今後起業を考えている人を対象に企画した4週連続ビジネス講座の最終回。内村さんは企業の大小を問わず、さまざまな業界で企業理念の策定や課題解決に携わっている。

 内村さんは「ブランディングは自分自身の在り方。志や使命感で、浮き沈みがあっても変わらないもの。一方、マーケティングはやり方。目的を達成するためにどうするかという手段。時により変わる」と両者の違いを説明。「在り方を考えてから、やり方を考えるのがいい」と取り組み順を述べた。

 志を見つけるポイントは、自分が好きなこと▽自分が苦もなくできること▽社会や誰かの役に立つこと―。この三つが重なる部分が志になるという。

 志の次に考えるのが「真の顧客」。内村さんは「商品・ビジネスを先に考えると、顧客への新しい提供価値を生み出しづらい。志に共感し、一緒に成長してくれる真の顧客は誰で、何に価値を感じているかを考えた上で、価値を提供するために商品、ビジネスはどうあるべきかを考えるといい」と手順を示した。

 「ブランディングには差別化だけでなく、事実を積み上げていく差積化が大切。志を起点に、会社、事業、顧客、商品、サービスの在り方を見つめ直すことで、独自の提供価値を見いだし、世の中から愛され、しっかりとした対価を得られるブランドづくりを目指して」とエールを送った。

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