【2021年度】上場企業の倒産 2019年度以来、2年ぶりにゼロへ(3月31日17時現在)

 コロナ禍での資金繰り支援による下支えで企業倒産が歴史的な低水準で推移するなか、2021年度の上場企業の倒産は2019年度以来、2年ぶりにゼロとなる見通し。上場企業の倒産は、2020年9月の(株)Nuts(東京、JASDAQ上場、破産)以降、18カ月連続で発生していない。

 『平成』は、1991年8月の(株)マルコー(東京、店頭、会社更生)から、2019年1月の(株)シベール(山形、JASDAQ、民事再生)まで合計234件発生した。
 『令和』では、2020年5月に民事再生法の適用を申請した(株)レナウン(東京、東証1部)が初の上場企業倒産となった。アパレル業界をリードした名門企業であったが、中国親会社との関係悪化にコロナ禍が追い打ちをかけた。また、同年9月には(株)Nutsが破産開始決定を受け、以降は上場企業の倒産はなく、令和に入っての上場企業の倒産は合計2件にとどまる。その一方、日本証券取引所グループによると、2021年度に上場廃止となった企業は86件(前年度61件)で、持株会社などによる子会社化や株式の併合などにより大幅に増加した。
 2021年度は緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が幾度となく発令された。上場企業も例外なくコロナ禍の影響を受けたが、金融支援などにも支えられ、倒産は大きく抑制された。しかし、コロナ禍の収束が見えないなかで、燃料価格の高騰や原材料、資材などの上昇、ロシアのウクライナ侵攻の影響、円安など懸念材料として浮上している。

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